日清製粉グループの日清飼料株式会社(社長:川口 勉)は、宮崎県乳用牛肥育事業農業協同組合(宮崎市 代表理事組合長 川西信雄)と共同で、ハーブを配合した肉牛肥育専用飼料を開発しました。試験肥育に引き続き、同組合の34農家がこの飼料で牛肉の肥育を実施しています。この飼料で育った牛肉及びその製品は、「宮崎ハーブ牛」「宮崎ハーブ黒牛」のブランド名で、本年5月より順次出荷されます。
今回の専用飼料は、数年来の基礎研究をもとに約2年の歳月をかけて開発されたもので、ジンジャー、シナモン、オレガノ、ガーリックの4種類の天然ハーブとビタミンEを強化したものです。これらのハーブには抗菌、殺菌、細胞膜の強化などの効果 があります。
この飼料で育った牛は健康な発育を示し、更にその牛肉は一般の牛肉に比べて1.鮮度が長持ちする、2.ドリップの流出が少なく、旨味成分を逃さない、3.脂肪の融点が低いので調理した時に口解けの良い脂肪を味わうことができる等の特徴があります。また、消費者モニター調査の結果 から「アクが少ない」「肉の臭みがない」「あっさりしている」「後味がよい」などの特徴も確認されています。さらにビタミンEや不飽和脂肪酸が多いことから、健康上優れた牛肉であると期待されています。
日清製粉グループでは、かねてからハーブの持つ食肉への効果に着目し、ハーブを配合した飼料の研究・開発に取り組んでおり、1996年4月にケンタッキーフライドチキンとの協力によるハーブ鶏の商品化、1997年2月からハーブ豚事業を開始しました。2000年度は全国で42000頭/年のハーブ豚が生産され、順調に市場を拡大しており、納入している外食産業の方々からも高い評価を受けています。
今回のハーブ牛の開発により、同組合は、「宮崎ハーブ牛」「宮崎ハーブ黒牛」の出荷として2001年度5600頭(売上高約26億円)、2年後の2003年度は8500頭(売上高約40億円)を見込んでいます。
- <参考資料>
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■ ハーブ入り養牛飼料の特長
4種類の天然ハーブ(ジンジャー、シナモン、オレガノ、ガーリック)とビタミンEを配合して独自に開発した飼料
- ○ジンジャー(生姜科)→
- 抗菌作用、細胞膜強化作用がある
- ○シナモン(クスノキ科)→
- 抗菌作用が強い
- ○オレガノ(シソ科)→
- 防腐効果(チモール)による抗酸化作用がある
- ○ガーリック(ユリ科)→
- 強力な殺菌効果成分(アリシン)による微生物抑制作用がある
- ○ ビタミンE→
- 老化の抑制、肝機能・細胞膜の強化、筋繊維構造の安定化
変色・脂肪変敗の抑制=抗酸化作用
「ハーブ村」シリーズ いままでの経緯
- 96・4〜
- KFC ハーブ鶏の商品化開始
国内19契約農場にて生産
当社はハーブミックスを供給。(知多工場にて製造)
ハーブミックス=オレガノ+ガーリック+ジンジャー+シナモンのスパイスをミックス。
*日本ケンタッキーフライドチキン(株)とタイアップしてハーブミックスを開発 - 97・2〜
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ハーブ豚事業を開始―九州にて展開
ハーブミックス=オレガノ+ナツメグ+ジンジャー+シナモン
(豚肉に応用―特許 出願中)
ハーブミックス+飼料→農場に供給(指定生産農場20農場)
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専用の種豚も供給-日清畜産センター
ハーブミックス+ビタミンの植物性飼料のみを与え、種豚の脂質の改良をし、あっさりとした仕上がりになるようにした。
当社は肉の流通に関しては、商流のコンサルテーションをしている。
有名外食店で使用してもらうことにより、ブランド力を高めるという戦略を採用している。
- <ハーブ豚の売上実績>
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1998年度 20000頭
1999年度 30000頭
2000年度 42000頭