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  • 2002年9月30日 早茹でタイプもアルデンテは完璧!MRI測定により早茹でタイプのスパゲティのアルデンテと水分分布との関係を科学的に解明

早茹でタイプもアルデンテは完璧!
MRI測定により早茹でタイプのスパゲティのアルデンテと
水分分布との関係を科学的に解明

株式会社日清製粉グループ本社 基礎研究所(所長 竹谷光司)は、独立行政法人 食品総合研究所(理事長 鈴木建夫)と共同で、日清フーズ株式会社(取締役社長 長谷川 浩嗣)が開発し発売している早茹でスパゲティ「プロント」内の水分分布を、MRIで測定することに成功し、茹で上げられた「プロント」は、普通の乾麺スパゲティのアルデンテ状態と同じ、特徴的な水分勾配のパターンがあることを科学的に実証しました。「プロント」は約5分(太さ1.7mmの場合)という短時間で茹で上がるように絶妙な角度で溝が設計されており、茹で上がると通常のスパゲティと同様に丸くなるという特長の商品です。今回の研究結果から、普通の丸麺スパゲティと同様にコシがあって美味しいアルデンテの食感を味わえることが実証されました。

今回のMRI測定では、「プロント」の茹で工程の中で茹で時間1〜1.5分の間に溝付近の部分に急速に水分が浸入して膨潤する様子と、茹で時間3分で溝が閉じる様子を観察しました。また、「プロント」の水分分布との関係から食感について検討したところ、「プロント」も通常の乾燥スパゲティ茹で上げ品と同じ傾向の食感を有する上に、コシをしっかりと感じながら食べられるスパゲティであることがわかりました。
 この研究結果は、本年8月の日本食品科学工学会で発表しました。

<プロントについて・・・>

日清フーズは、茹で時間が短く、本格的な味のスパゲティをという消費者の要望にマッチするパスタの開発に長年取り組んできた結果、1987年に麺にくさび形の溝を入れることによって茹で時間を通常の約半分(約5分)に短縮した製品「プロント」の開発と商品化に成功しました。早茹でタイプの乾麺スパゲティは他社からも発売されていますが、当社製品の最大の特長は、茹でるとくさび形の切り込みがぴったりと閉じて通常の丸い麺と同じになるという点で、世界唯一のパスタといえます。

<スパゲティの水分分布に関する研究の経緯>

基礎研究所の当研究グループは、独立行政法人食品総合研究所とともにかねてから医療分野で用いられる画像診断技術MRI(磁気共鳴イメージング)を食品に応用することで、スパゲティ内部の水分分布を測定し、その断面における水分勾配の研究を進めており、今春国内で初めてその可視化に成功しました。
 この実験では、茹で上げたスパゲティ(乾麺)のMRIを測定したところ、麺中心部の水分含量が低いアルデンテに特徴的な画像パターンが得られました。また、得られた画像から水分含有量を換算することにも成功しました。

(*1)アルデンテとは・・・
イタリア語でスパゲティの茹で加減を示す言葉で、中央にわずかに芯が残っている状態。コシと歯ごたえがあり、スパゲティが一番おいしく感じられる状態といわれる。

◆独立行政法人 食品総合研究所とは・・・
食品研究の専門機関で、食品成分の機能性評価や栄養代謝など分析技術の高度化、食と健康の科学的解析、食料の安全性確保と革新的な流通・加工利用技術の開発、生物由来の新たな機能の発掘とその利用など、食に関わる科学と技術に関する幅広い研究を行っています。