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  • 2003年8月28日 有機質堆肥の熟度分析・品質評価手法で画期的システムを開発日清製粉(株)、「エコドクター」として有料サービス開始

有機質堆肥の熟度分析・品質評価手法で画期的システムを開発
日清製粉(株)、「エコドクター」として有料サービス開始

日清製粉(株)(社長:新倉英隆)はこの度、有機質堆肥の熟度分析・品質評価システムを開発し、『エコドクター』の名称で有料分析サービスを開始致しました。
 環境問題及び食の安全に対する社会全体の関心がますます高まる昨今、日清製粉では、従来から環境関連ビジネスとして、パン発酵や醤油等の醸造に関する応用微生物分野の技術を活用した堆肥化発酵促進材「アクセルコンポシリーズ」を販売しており、畜産業界を始めとした下水汚泥や土木建設分野の残さ処理など、多方面に亘る堆肥化リサイクルで好評を得ております。

平成16年11月には「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」が、また平成18年3月には「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」がそれぞれ完全施行されることを受け、今後畜産・食品業界を中心に品質の良い堆肥作りに対する需要は一層高まるものと予想されます。
 今回当社では、堆肥の熟度分析・品質評価において、より高品質の堆肥を作る為の高度な分析精度を求める潜在的ニーズに対し長年培った堆肥化発酵技術を生かした付加価値の高い堆肥の熟度分析・品質評価システムを『エコドクター』と称して、有料でのサービスを開始致しました。

従来は堆肥の品質を評価する場合、肥料の3大成分である窒素・リン酸・カリウムや有害な重金属の含有量分析が主体となっており、熟度評価は主に臭い・色・手触り感に頼るなど官能的・主観的な手法が用いられておりました。
 当社では、発酵促進資材を販売促進するためのサービスの一環として、従来より独自に開発したHPLC(高速液体クロマトグラフィー)による窒素成分の分子量分布解析手法を活用し堆肥の熟度分析を行なってまいりました。この解析手法は、土壌に悪影響を与える易分解成分(低分子量の窒素成分)の堆肥中の含有状態を測定するもので、斬新な手法として各方面で好評を博しております。

『エコドクター』は、従来のHPLC解析手法に加え、新たに堆肥の総合品質評価指数「CQI(Compost Quality Index)」を開発・導入し、システム化しました。
 「CQI」とは、発酵促進材販売を通じて得られた豊富な分析事例(全国の堆肥3,000点以上)をベースに、コンピュータにより各分析項目を統計解析し、総合的な点数格付け(1〜100点)を行なう、画期的な評価手法です。このCQIによりその堆肥の熟度・品質が全国レベルで判定できます。
 『エコドクター』はCQIやHPLCを駆使したデータにより科学的・客観的に熟度が評価出来、農業団体最大手のJA全農推奨型の堆肥分析手法にも指定されました。

今後2〜3年以内に環境関連法令が完全に施行されることを受けて食品業界を始め幅広い産業分野で、有機性廃棄物のリサイクルがより一層普及し、堆肥供給量が大幅に増加することが予想されます。
 当社は堆肥の品質を科学的・客観的に評価出来る『エコドクター』の優位性をアピールすることにより、堆肥メーカーが熟度の高い高品質堆肥を効率良く製造出来る様サポートしてまいります。また、農業・緑化事業分野の堆肥ユーザーに対しましても、高品質な堆肥に関する情報提供を積極的に行ってまいります。
 これらの取り組みを通じて、堆肥の製造(発酵促進資材)・品質(エコドクター分析)両面から将来有望視される堆肥化リサイクル市場の活性化を図ってまいります。
 『エコドクター』は先ず畜産業界で有料サービスを開始し、順次有機質堆肥(汚泥・バーク等)全般に拡大する予定で、3年後に5億円の売上げを目指します。