| 正田社長は社長就任当初から経営方針を、「21世紀に向けて生き残り、更にその地位を確固たるものとする」として、昭和62年4月、「企業は変化することによってのみ生存ができる。当社が21世紀に発展する組織体でありうるかどうかは、われわれ自身が、骨太なイノベーティブ(革新的)な集団になれるかどうかにかかっている」として、行動計画「日清の未来を開くNI−90」を策定しNI活動をスタートさせた。まだ他の企業が長期の見通しにもとづく構造改革に着手していない時期の取り組みであり、当時は製粉事業の売上が会社全体の52%をしめ、全社経常利益は105億円であった。平成3年、「活力と発展を充実できる組織体へ」をコンセプトに「NI−93」活動、さらに、平成6年、「新しい発展と事業の再構築」として「NI−21」を展開した。
在任中 製粉事業の国際化へ向けての構造改革を始動し、工場統廃合を実現すると共に、4次に亘り製粉協会会長を務め、小麦の内外価格差縮少に尽力した。また 加工食品事業をコア事業に育成し、売上規模において製粉事業に匹敵する事業に成長させた。先を見据えて次々と手を打てたためリストラすることなく、利益をあげながら、企業を新しい闘う集団に導いた。
そして平成13年7月、座標軸を「戦後日本型」標準から「21世紀型新日本」(ネオ・ジャパニーズ)標準に転換するとしてネオ・ジャパニーズ・スタンダード軌道への移行を提唱し、「われわれの目指すべき方向性は『自立』と『連合』、即ち、競争力のある『自立』したユニットの『連合』体を目指す」として全事業部門を分社し、純粋持株会社「(株)日清製粉グループ本社」と、分社化した事業会社による21世紀型企業構造に向けた新しいグループ体制を形成した。一方で日清製粉の伝統にある良い体質も残しつつ、同時に日清製粉を21世紀にも通用する強く、正しく、業界の冠たるものにするべく会社経営に心血をそそいだ。
海外事業戦略でも「Global=国際化・円高対策」の視点から、積極的に推進し、北米(製粉およびパスタ事業)、東南アジア(タイで製粉および加工食品事業)、更に最近中国にプレミックス工場を建設し、海外事業拠点を環太平洋を中心に拡大させた。
また、M&Aを積極的に展開し、医薬部門で将来を見据え杏林製薬(株)と合弁で日清キョーリン製薬(株)設立、飼料部門では今後の配合飼料を考え丸紅飼料(株)との経営統合で日清丸紅飼料(株)を設立、食品部門では(株)三幸の買収で中食事業に参入し、全温度帯に事業を広げた。現在製粉事業の全体に占める売上構成比は35%、2004/3期の連結経常利益予想は222億円である。分社化体制が軌道に乗り、2004/3期業績も過去最高となる見込みであることから、今回長谷川常務に社長を引き継ぎ、代表権を持った会長に就任の予定。
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