| 株式会社日清製粉グループ本社(社長 長谷川 浩嗣)は、これまで京都大学と共同でパン生地中に多数広がっているパン酵母を夜空に輝く満天の星のように見立て、バイオ技術により光らせることによってパン酵母を可視化する技術を開発してきました。この技術を、独立行政法人食品総合研究所が開発した三次元可視化技術に応用することで、今回、食パンのミキシング工程における各段階での酵母の分布状態を、三次元で鮮明に捉えることに成功しました。
食パンの製造工程において、ミキシング工程はパンの品質を左右する重要な工程です。小麦粉などの原料にパン酵母を加えるミキシング工程は、グルテンの十分な形成やグルテン膜に抱き込まれる気泡(空気)の増加が、パン生地や製品にとって重要な決め手となります。同時に原材料の分散・混合はミキシングの初期段階で行い、特にパン酵母などの微量成分を完全に分散させることは、均一な発酵を得るために不可欠とされています。しかし、多くの材料や成分が分散するパン生地中で、数 mサイズのパン酵母の三次元的な分散状況を把握することは困難でした。
食パンのミキシング工程で最適ミキシングと言われている段階では、グルテンの形成と気泡(空気)の抱き込みが重要なポイントになっています。今回、この技術により食パン生地を三次元的に可視化・定量化したところ、この最適なミキシング段階においてパン酵母がパン生地中に均一に分布していることが明らかとなりました。すなわち、パン酵母が出す炭酸ガスをしっかりと保持できるパン気泡(空気)に対して、パン酵母はより効率的に、均一に、安定してガス発生が出来る分散状況となります。良いパンをつくるポイントとなる内部のすだち(気泡構造)を均一できめ細かく、ソフトな食感を作るために必要と考えられます。 これまで、パン職人が経験と勘によって培ってきた技術(匠の技)を最先端の技術により再評価することで、パン職人の技術が数値化され、今後新しい製パン技術の開発につながることが期待されます。
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