「社会・環境レポート2006」の第三者意見に対する取り組み
昨年、第三者意見をいただいた原教授・辰巳理事のご指摘に対し、私たちの取り組みを報告します。
| ご指摘いただいた内容 | 日清製粉グループの考え |
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| 企業が社会的責任を明らかにし、責任達成の手段と目標の達成度を明らかにするのが社会・環境レポートの目的であるため、言葉による説明の内容が数字により具体的に裏付けられなければならない。 |
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| 文中に多用されている英語の略語はまとめて解説することが望ましい。 |
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| レポートに掲げられたCO2削減目標の達成に向けて、グループ各社間の意思疎通の努力はもとより、あらゆる社員の自覚、個々の現場での行動が問われる。 |
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| フードマイレージやバーチャルウォーターという言葉が教科書や新聞などにも登場する時代であるので、次回には企業としてこれらの問題も視野にあることの説明を期待する。 |
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| 50年後、日清製粉グループが「国民のいのちをつなぐ大事な小麦」の生産、調達が持続可能になるために全社をあげてどのように取り組むのか、どの程度の成果をあげているのか、また、その課題、ステークホルダーへ望むことなど、一連のストーリーが綴られることを期待する。 |
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「社会・環境レポート2007」第三者意見
昨年に引き続き、お二人の専門家から、それぞれの視点でご意見を伺いました。 依頼の際には、レポートのコンセプト・2006年度の取り組みの特色・今後の展開についてご説明しました。
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早稲田大学大学院 アジア太平洋研究科 教授
原 剛 氏
profile
早稲田大学法学部卒業。61年毎日新聞社入社、社会部記者、デスク、科学部長、編集委員・論説委員を経て98年から早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。主な著書に「中国は持続可能な社会か」(同友館)。
2007年版は特集が出色の内容である。冒頭の社長メッセージは、自らを「大地の恵みを享受する食品企業」として位置づけ、企業活動が地球温暖化の農作物への影響による被害を免れえないこと、同時に自らの企業活動によるCO2の排出により、温暖化の負荷を環境に及ぼしているとの明快なメッセージを伝えている。
続く「CO2絶対量削減に挑む」座談会では、3者の環境認識が正確に噛み合い、各人の問題提起と対策の成果が数字の裏付けをもって明示され、わかりやすい。とりわけグループ間でのキャップ・アンド・トレード方式による社内でのCO2排出権取引制度の計画は、京都議定書の足元からの率先実行を意味する。その関連でインドネシアのタピオカでんぷん加工工場で、CDM(クリーン開発メカニズム)を用いての排出権の売買契約を締結するなど用意周到である。
問題は中村隆司・日清製粉社長が指摘しているとおり、「CO2の削減は必ずしもコスト削減に結びつかないため、経営効果が見えにくい」現実を市場経済の中でどのように理解し、課題を克服していくか、であろう。すでに排出権取引やインドネシアでのCDMにより、日清製粉グループ内でCO2削減が有償化し、マクロの市場経済下、コスト削減につながり始めていることをレポートは伝えている。ゆくゆくはレポートに環境会計の欄を設け、たとえば、CO2や廃棄物減らしのコストと利益を分析してほしい。その利益は金銭に換算できる範囲に限らず、環境への負荷減らしに努める日清製粉の企業イメージ、商品価値を高めることも視野に入れて計算し、説明したい。
特集2「食の担い手として、私たちができること」は、国連世界食糧計画 (WFP)支援2年目の状況を示す。飢餓と貧困、飽食と浪費が並存する世界を熟知する食品企業のリーダーカンパニーとして、協力の進展を期待したい。
「お客様との約束」「社会への貢献」をはじめ7つの項目はいずれも経年変化がわかるよう編集されている。たとえば工場、事業所などでのISO14001の取得状況や、1999年度を基準年とし、2010年度をゴールとするCO2と廃棄物の削減計画の進行ぶりをチェックできる。
社員のさまざまな表情、商品写真、イラストによる概念図など、読者の視点を配慮した編集感覚が光る。2006年版の第三者意見で指摘した「言葉による取り組み状況を示す数値データの開示」は、2007年版で一段と詳細になった。加えて、お客様相談室に寄せられた24,000件の相談事が類型別に紹介されてよい。レポート全体に誠実さと温かみが感じられる緻密な構成である。
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(社)日本消費生活アドバイザー・
コンサルタント協会 理事
辰巳 菊子 氏
profile
奈良女子大学家政学部卒業。教職を経て1985年に「消費生活アドバイザー」の資格を取得。都内百貨店で消費者相談室に勤務する傍ら、生活者の立場からごみリサイクル関連や環境コミュニケーションの分野で提言を行っている。
今年も日清製粉グループ様の社会・環境レポート2007を読ませていただく機会を頂戴いたしました。
地球では、生物の絶滅種が次々と増える中で、人類の種だけは順調に増加し続けています。この人類の増殖が物質とエネルギー消費の増大につながり、既に資源枯渇と地球温暖化という大問題を、現在の私たちに突きつけています。この厳しい資源制約とエネルギー事情の下で、今を生きる人は、何を優先するべきかを真剣に考える時と思っています。企業も然りです。
そういう思いから、まずは社長メッセージをゆっくりと読ませていただき、「人々の命を預かる食品企業として、食を次世代に手渡していくために果たすべき役割を考え、取り組んでいく」とコミットメントされていることに、頑張ってほしいと強く思いました。
前回の指摘事項には、どの点に対しても取り組みが進められているようです。特に、グループ企業での意思の疎通という点では、P7からのグループトップの「CO2絶対量削減に挑む」というテーマでの語り合いが行われています。まさにエネルギー消費の問題です。「2010年度のCO2排出量を1990年度比で8.6%絶対量で削減するために」という命題のもと、あらゆる方策が検討され、実績も積んできているとのことで、グループ内で共有されていることが確認できます。目標達成がまずは大事です。
また、資源問題という点では、P11からの特集2「食の担い手として私たちができること」というテーマで、世界の食糧問題と企業の社会的責任についての話し合いが報告されています。食糧問題を特集としているのは、まさに時機を得たものです。世界の食糧事情までを視野に入れた経営が大切であると、おそらく話しながら皆さまは再確認されたと思います。そしてP13からの食にかかわる社会的課題への取り組みの頁では、現在の課題がわかりやすくまとめられています。さらに各テーマを説明する頁では、PDCAスタイルで説明されており、説明をする側も整理がしやすく、読む側もわかりやすい、面白い工夫だと思いました。
今年はオーストラリアが大旱魃とのことです。空気や水、他のいのちとの空間的つながり、つまり、大自然の持つ循環を意識できるような情報が社会に発信され、いかに見えないことに気付きを与えるかが重要な問題と考えています。企業からも本業を通じ、気付きを与える可能な限りの情報発信がなされることを期待しております。
第三者意見を受けて
今回のレポートでは昨年に引き続き、原教授・辰巳理事のお二方に第三者所見をお願いしました。
原教授からは、レポートに環境会計の欄を設け、コストと利益を分析し、企業イメージ・商品価値を高めることも視野に入れ説明すべきとご指摘いただきました。当社グループでは複数のモデル事業場で環境会計を導入しておりますが、グループ全体では行っておりません。ISO14001のグループ一括認証取得のなかで環境会計の重要部分、たとえば環境投資やその効果について展開を図ってまいります。
また、辰巳理事より、本業を通じて「大自然の持つ循環」や「見えないつながり」について気づきを与えるような情報の発信について、期待のお言葉をいただきました。人々の命を預かる食品企業として、今後、何を優先すべきか、次世代のために果たすことができる役割とは何かを議論し、お約束したことを実現すべく、一歩一歩前進してまいります。
お二方よりご指摘いただいた課題をどのように実行すべきかを考え、次年度以降の活動への目標として積極的に取り組んでいく所存です。
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(株)日清製粉グループ本社 取締役 技術本部長
山田 幸良
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