東日本大震災復興支援活動
2016年度

日清製粉グループの想い

東日本大震災以降、日清製粉グループでは企業理念にもとづき、災害で被災や避難した方々が一日でも早く、健康で豊かな生活を再建することを願い、復興支援活動に継続的に取り組んできました。また、社員ボランティアも被災地を訪れ、地元の方々と交流を大切にした交流活動を実施しています。

社内体制

2012年に日清製粉グループ本社に「震災復興支援活動推進事務局」を設置し、NPOと渉外・調整、社員へボランティア活動のコーディネート、現地理解のためのセミナー開催などを行っています。

取組みの三つの柱

「豊かな生活づくり」「福祉・ダイバーシティ」「なりわい・にぎわい」に取り組む地元非営利活動団体と協働で災害 復興支援活動を行っています。

豊かな生活づくりへの支援

住民のつながりを取り戻し、住みよい地域社会にしていこうとする共同活動を継続的に支援しています。

地域で食を楽しむ

家族や友人、新しい隣人とお互いに親しむための料理教室開催に当社グループの強みである小麦粉料理のノウハウを用いて、継続的に協力しています。

行事名 開催日・場所 主催
フライパンでできるピザ教室 2016年11月30日
福島県郡山市
NPO法人 みんぷく
春が来た、みんなで咲かせよう、
さくらクッキー教室
2017年3月5日
岩手県陸前高田市
一般社団法人 SAVE TAKATA
フライパンで焼いたピザ
サクラクッキー

コミュニティ活動の担い手育成

当社グループでは、岩手県・宮城県・福島県で、被災地のコミュニティ活動として開催されるクレイアート教室に専門講師を派遣してきましたが、平成28年度は、 新たな試みとして「クレイアート指導者養成のための講習会」を同3県で開催しました。
受講後は、講習会の受講者が企画するクレイアート教室に手芸粘土(日清アソシエイツの商品「グレイスライト」「グレイスカラー」)を贈呈し、各地に新たな指導者が生まれることで、「女性の潜在能力の発揮」や「生きがいづくり」「地域コミュニティの再生」につながることを期待しています。

開催地 開催日・場所 受講者 受講者がクレイアート教室を開催した回数と参加人数
宮城県石巻市 2016年10月20日
Coworking!@Ishinomaki
12人
(9団体)
23回
284人
福島県郡山市 2016年11月10日
県営復興公営住宅
東原団地集会所
8人
(6団体)
12回
198人
岩手県釜石市 2016年12月6日
特定非営利活動法人
カリタス釜石
12人
(6団体)
6回
77人
合計 32人
(21団体)
41回
559人
クレイアート教室の様子
クレイアート教室の様子
クレイアート作品

子どもの遊びの機会提供

子供たちが、子供らしく、休んだり遊んだり、様々な情報を得て、自分らしく成長するための機会を提供する団体に協力しました。

行事名 開催日・場所 主催・協力
にじいろパレット
ペットボトルでピザをつくろう!
2016年7月16日
宮城県仙台市
NPO法人 東北造形作家を支援する会
ネイチャーキッズ寺子屋
ふくしまキッズスノークラブ 2017 2017年3月11日
福島県北塩原村
復興支援プロジェクトふくしま YMCA
ふくしまキッズスノークラブ 2017の様子

復興を担う高校生の未来のために
未来パスポートプログラムに社会人講師派遣

「未来パスポート」プログラムは、「先行き不安定な社会情勢の中で、一体どうやって将来ビジョンを描けばよいのか?」という高校生の一言から始まった社会人講話プログラムです。
将来、復興活動を担う高校生を対象に、岩手県沿岸部の公立高校で開催された「未来パスポート」に当社グループの社員を派遣しました。プログラムで社会人講師は「仕事のやりがい」や「仕事をする上で心がけていること」などを伝え、子どもたちの将来の進路選択につながることを期待しています。

開催日 派遣先 対象
2015年10月7日 岩手県立 宮古北高校 1・2年生
2015年12月1日 岩手県立 大槌高校 1年生
2016年10月25日 岩手県立 大槌高校 1・2年生
2016年11月28日 岩手県立 宮古北高校 1・2年生
会場の様子(岩手県立 大槌高校)
仕事について話す社会人講師(社員) (岩手県立 宮古北高校)

主催:
NPO法人 未来図書館 
http://www.miraitoshokan.com/

福祉・ダイバーシティ

福祉作業所への技術支援・販売支援

福島県双葉郡は東日本大震災による津波と原発事故の影響で、いまだ住居が制限されている地域も少なくありません。「魔法のお菓子ぽるぼろん」は、長期の避難を余儀なくされている福祉事業所と、被災した障がい者たちに「安心できる居場所」と「安定した仕事」を作ろうと、「NPO法人しんせい」をはじめ13事業所(利用者約200名)が協力して、2014年度に立ち上げたブランドです。
それぞれの強みを活かし、5つの事業所がお菓子を焼き上げ、それ以外の事業所が箱詰めや販売活動を担当しています。
当社グループは職員や利用者への技術研修や厨房機器寄贈、社内共同購入によって、継続的に支援しています。このプロジェクトが長期避難者の「社会的孤立の解消」や「働きがいのある人間らしい仕事づくり」の一助になることを期待しています。

写真
NPO法人 しんせい
事務局長
富永 美保さん

既存のものにとらわれることなく、新しいものを生んでいこうという思いを団体名「しんせい」に込めています。
「魔法のお菓子 ぽるぼろん」の販売は3期目を迎え、すべての人たちにとって「働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)を生み出す取組みに発展しています。これからも、私たちは孤立や排除のない社会の実現を進めていきたいと思います。

ポルボロンはスぺインの伝統的な祝い菓子。ほろほろと溶けてしまう食感と口に広がるシナモンの香りが特徴です。
おかげさまで、3年間で15,000箱を販売できました。
一つひとつ、丁寧に抜型でぽるぼろんを抜く利用者
「魔法のお菓子 ぽるぼろん」をはじめとした福島発障がい者協働プロジェクトに取り組む13事業所の利用者と職員の皆さん

主催:
福島発障がい者協働プロジェクト 
http://fkp13.jp/

協働:
NPO法人 しんせい 
http://www.shinsei28.org/
認定NPO法人 難民を助ける会 
http://www.aarjapan.gr.jp/
NPO法人 エイブル・アート・ジャパン 
http://www.ableart.org/

女性活躍への支援

地域のママたちが中心となって立ち上げたNPO法人石巻復興支援ネットワーク「やっぺす!」は女性、子どもや若者が主役になって活躍できる石巻を目指し、さまざまな活動を展開しています。
平成28年12月、当社グループは、ママたちのつながりづくりを応援する「やっぺす!ママのわスクール」の一講座として開催する料理教室に協賛しました。この講座への参加が「女性の潜在能力の発揮 」や「働きがいのある仕事づくり」につながることを期待しています。

短時間勤務制度を利用して
写真
NPO法人
石巻復興支援ネットワーク
代表理事
兼子 佳恵さん

「やっぺす!」とは石巻のことばで「一緒にやりましょう」の意味です。
私たちは支援する側、される側の壁を超えて、支え合う地域社会の実現を目指しています。

グループごとに力を合わせ、一つのパンケーキツリーを完成させました
マシュマロで作った雪だるまで飾って完成したパンケーキツリー

主催:
NPO法人 石巻復興支援ネットワーク 
http://yappesu.jp/

なりわい・にぎわい

ふくしまの農業を未来へ紡ぐ、オーガニックコットン・プロジェクトへの支援

いわき市を中心とした地域では、東日本大震災の地震による被害や津波による塩害、原発事故による風評によって、生産者が農業を断念するケースも多く見られました。そこで、「いわきおてんとうSUN企業組合」は地域の農家や首都圏からのボランティアと協力し、無農薬にこだわって和綿「備中茶綿」を育て、収穫した綿花をTシャツや手ぬぐい、タオル等に製品化する「ふくしまオーガニックコットン・プロジェクト」に2012年から取り組んでいます。
当社グループは、同プロジェクトに2014年からボランティアを派遣し、栽培活動を支援しています。2016年度までに170名の社員が参加しています。
栽培から5年目にあたる2016年度は綿花の収率向上や在来品種の栽培ノウハウの蓄積等の課題解決を目的とした大久圃場での品種別試験栽培に協賛しました。
このプロジェクトが持続可能な地元経済の発展や地域の生物多様性を保全、持続可能なライフスタイルの普及、手工芸による女性や障がい者の社会参加につながることを期待しています。

写真
いわきおてんとSUN 企業組合
酒井 悠太さん

福島県いわき市ゆかりの詩人・野口雨情の「おてんとさんの唄」が団体名の由来です。
福島で育てている綿花が、日本を代表するブランド コットンになれるよう栽培を続けていきたいのと同時に、モノづくりにおいても、世界中の皆様の生活に「日本の技術でできた繊維製品」が少しでも多く寄り添えるよう、品質・デザインともに満足できる 製品をつくり発信していきます。

ボランティアに参加した当社グループ社員
畑で栽培された綿
アップランド種(左)、備中茶綿(右)

主催:
いわきおてんとSUN 企業組合 
http://www.iwaki-otentosun.jp/
ふくしまオーガニックコットンプロジェクト 
http://www.iwaki-otentosun.jp/cotton/

被災地産品の社内販売・共同購入

当社グループでは、東日本大震災被災地支援の一環として、当社グループがこれまでに復興支援に携わった岩手県、宮城県、福島県の事業者・生産者の物産を中心に、被災地域の産業や観光再生を継続的に応援することを目的に社内販売会や共同購入に取り組んでいます。

開催日・実施時期 実施場所 販売者と品目
2016年9月27日 日清製粉グループ 神田本社ビル みやぎセルプ協働受注センター
熊本県・宮城県の福祉事業所の食品・雑貨
2016年9月28日 オリエンタル酵母工業 本社・東京工場 同上
2016年11月28日 日清製粉グループ 神田本社ビル SAVE TAKATA
岩手県陸前高田市の地元産品(食品)
2016年11月29日 NBCメッシュテック 本社ビル 同上
2016年12月 日清製粉グループ NPO法人 しんせい
「魔法のお菓子 ぽるぼろん」
社内販売会の様子

2016年4月に発生した熊本地震により被害を受けた福祉事業所と共に、宮城県内の福祉事業所を応援するため、事業所で作られた食品及び雑貨の販売を実施しました。

ご協力いただいた SAVE TAKATA とジョブトレ生の皆様

一般社団法人SAVE TAKATA(岩手県陸前高田市)の岩手県陸前高田市の地元産品の社内販売においては、認定NPO法人育て上げネット(東京都立川市)と協働し、同団体が若者に提供する就労基礎訓練プログラムを受講するジョブトレ生が販売業務の一部を担いました(本年で2回目)。

主催:
NPO法人 みやぎセルプ協働受注センター 
http://www.miyagi-selp.org/
一般社団法人 SAVE TAKATA 
http://savetakata.org/

協働:
認定NPO法人 育て上げネット 
https://www.sodateage.net/
ジョブトレ 
https://www.sodateage.net/service/jobtra/

過去の取組み