北海道 北海道

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みそラーメン 札幌

みそラーメン

札幌のみそラーメンが生まれたのは昭和30年ごろ。一人のアイデアマンが、それまではしょうゆ味と塩味しかなかった札幌のラーメンに、日本古来の調味料「みそ」で味付けしたラーメンをメニューに加えたのが始まりと言われています。みそラーメンに定番の太くちぢれた黄色い麺は、油を多くした濃厚なスープに合うように研究を重ね、開発されたものだそうです。
その札幌ラーメンが全国区になったのは、ラーメン横丁の前身「公楽ラーメン名店街」が週刊誌に取り上げられたのがきっかけでした。その後、昭和30~40年代には、全国の百貨店で北海道物産展が催されるたびに、札幌のみそラーメンが紹介され、次第に「札幌ラーメン=みそラーメン」というイメージが定着していったようです。

函館ラーメン 函館

函館ラーメン

1859年、日本で初めての貿易港として函館港が開港すると、函館には欧米をはじめ、さまざまな海外の文化が流入するようになりました。「函館ラーメン」は、この開港以降、昆布や乾物などを買い付けにきた華僑を通じて伝えられたようです。「函館ラーメン」と言えば、やはり「塩」。どんぶりの底が透けるような澄んだスープに、やや細めのちぢれが少ない麺がからみます。具は、チャーシュー、メンマ、ねぎといたってシンプルで、あっさり系の代表格のようなラーメンです。各地のご当地ラーメンと同様、函館ラーメンも多様化していますが、オリジナルはこの澄んだスープ。とんこつを沸騰させることなく静かに、丁寧にアクをとりながらスープをとります。煮たぎらせると、ゼラチンが溶け出して濁ってしまうので、あくまで弱火で、じっくりと煮込んでいきます。お店によっては、鶏がらや野菜、道産の昆布などを使用しているようですが、味付けが塩だけなので、だしの味わいが活きています。

旭川ラーメン 旭川

旭川ラーメン
写真提供:旭川市商工観光部

札幌の「みそ」、函館の「塩」とともに有名な北海道ラーメンと言えば、旭川の「しょうゆ」でしょう。「旭川ラーメン」の特徴は、とんこつでとった白濁しないスープに、あじ節などの魚貝系スープを加える、いわゆる「ダブルスープ」スタイル。内陸地にありながら海産物を使用するのは、旭川が北海道の物流拠点であることと関係しています。また、スープには脂(ラード)を加えることが多く、スープの表面に薄い膜が張っているのは、冷めないようにする工夫の一つ。
もうひとつの特徴は麺。スープがからみやすいちぢれ麺なのは札幌ラーメンと同じですが、旭川ラーメンの麺はそれよりも加水率が低く、水分を吸い込みやすくなっています。このため、歯ざわりが良く、小麦粉本来の香りが楽しめます。

釧路ラーメン 釧路

釧路ラーメン
写真提供:釧路観光協会

札幌ラーメン、旭川ラーメン、函館ラーメンは「北海道三大ラーメン」と呼ばれますが、「北海道四大ラーメン」として、その一角に数えられるようになったのが「釧路ラーメン」です。ラーメン店主と市民が共同で運営を行う「釧路ラーメン 麺遊会」のPRなどで2000年ごろよりじわじわと人気を呼びはじめ、今では多くの観光客がラーメンを目当てに釧路を訪れるようになりました。
札幌=みそ、旭川=しょうゆ、函館=塩、というイメージが強い北海道ラーメン。釧路の主流は、鶏がらスープにかつおだしなどをきかせた、あっさり系のしょうゆ味です。麺は、極細のちぢれ麺。寒冷の地、北海道のラーメンは「コクのある濃い味」という印象がありますが、釧路ラーメンは飽きがこない味が魅力です。

チーズ蒸しパン 北海道

チーズ蒸しパン

チーズ入りの蒸しパンは、1990年に北海道で売り出されたことから火がついて、あっという間に全国的なブームになりました。北海道ならではのクリームチーズを練り込んだ「チーズ蒸しパン」は、今はインターネット上にいろんなレシピが掲載されていることもあり、家庭でも作れるおやつとして根強い人気を博しています。
蒸しパンの生地には、小麦粉、砂糖、卵、ベーキングパウダーなどを使用するのが一般的で、牛乳でコクを出したり、上新粉を混ぜてもちもち感を出したり、アレンジもさまざまです。
蒸しパンは水分が多いため、しっとり柔らかく食べやすいのが特徴で、子どもからお年寄りまで広い層に愛されています。クリームチーズのほか、チョコレートを練り込んだものも人気です。

「ご当地粉料理」は、『小麦粉料理探求事典』(岡田哲 編/東京堂出版)、『日本の味探求事典』(同)などの書籍、官公庁や地域情報などの各種ホームページ、地域住民の方への聞きこみ、弊社資料などによりまとめました。