シェフが教える「とっておきの南イタリア」

日本でも数少ない、ナポリピッツァ協会認定の店「パルテノペ」をプロデュースした渡辺総料理長が、
南イタリアの魅力について、さまざま切り口で紹介するページです。


11.イタリアのレストラン業態(2)

何はなくとも「メインディッシュ」を!

アンティパスト(前菜)から、プリモピアット(パスタ、リゾット、スープの類)、セコンドピアット(メインディッシュ)、ドルチェ(デザート)まで、イタリア料理をフルコースで上手に食べるにはどうしたらいいでしょう? という質問をよく受けます。

イタリアのリストランテやトラットリアでは基本的に注文はコース仕立てです。しかし、実はセコンドだけを頼んでも全然マナー違反ではないことはあまり知られていないのでは?

もちろん一般的には、アンティパスト、プリモ、セコンドと進めていきますが、あまりお腹が空いていないときや、コースでは多すぎるといったときはどうするのか? そんなとき日本人は、ついつい前菜とパスタを注文してしまうのですが、これが大間違い!
イタリアのレストランでは、最低限「セコンドだけは注文する」のが流儀です。イタリアを訪れ、現地のレストランに入り、フルコースが無理なお腹なら、プリモをとばしてでもセコンドだけはとってください。

例えば2人でアンティパストとパスタを1品ずつとり、セコンドは1人1品ずつ頼むのもいっこうに構わない。「必ずセコンドをとる」これを守るだけでも、かなりスマートな旅行者だと認めてもらえますよ。

イタリア人にとって、アンティパストやプリモは、家での食事と大差がないので、わざわざ外食はしないといった感覚がある。

つまり、彼らにとって「レストランでの食事=セコンドを食べる」なのです。


リストランテ・ピッツェリアは、若者からの支持が高い。
こんなこともマナー違反

「何はなくともセコンドを」といいましたが、2人でセコンド1品を分け合うのは×。お腹があまり空いていないという理由で、ついついセコンドを分け合う日本人旅行者をみかけますが、セコンドのシェアはイタリアではかなり恥ずかしい行為だと覚えておいて下さい。

それから、4人で2品を注文したときなど、皆でお皿をつつくのもマナー違反です。店の人に取り分けてもらうのが流儀ですので、お忘れなく。

意外と知られていないようですが、レストランで食後にカプチーノを頼むのもやめたほうがいいですね。イタリア人がカプチーノを飲むのは朝食か小腹が空いたときのみ。食後のコーヒーはエスプレッソに決まっているのです。だから、食後にカプチーノをとるイタリア人はまずいない。どうしてもカプチーノが飲みたい場合は店を出て、近くのバールへ行きましょう。
いいとこどりのリストランテ・ピッツェリア

最近では「リストランテ・ピッツェリア」という看板を掲げている店も多いですね。つまり、ピッツェリアとリストランテが一緒になっているところで、リストランテ的な店構えでも、気取らずにピッツァを楽しむことができます。

どちらかというと、リストランテに近い存在で、そこにピッツァも置いているという感じです(リストランテを名乗る店では普通ピッツァは置いてありません)。

リストランテ・ピッツェリアへ行く場合は、ピッツァ専門店に行くときよりは、若干のドレスアップを。やはり男性はジャケット着用、女性もあまりカジュアルな服装は避けたほうが無難です。
エノテーカの使い方

そのほか、エノテーカ(ワイン屋)があります。ここでは、ワインを買うだけでなく、そこで飲むこともできます。(都市部では、ワインを売るだけという店も多いのですが…)

イタリア人は空ビンを持ってエノテーカへ行き、好みのワインを詰めてもらいます。旅行などでエノテーカに行く機会があったら、地ワインを買ってビンに詰めてもらい、お土産にするというのも気が利いているのではないでしょうか。

そのほか、レストランに行く前にエノテーカに寄り、ワインを1杯飲んでから店へ向かうというのも洒落た使い方ですね。ただし、エノテーカに長居はいけません。居酒屋ではないので、ワインを何杯も飲んで酔っ払うなんてことのないように。



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