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----- 夜中12時ぐらいにレストランが混み合うという話でしたが、夜遅い時間に食べる料理というのはどんなものなのでしょうか? |
| 日高: |
食べるものはその土地その土地で違いますけど、夜遅い時間だから軽いものしか食べないというわけではありません。そのかわり、彼らはゆっくりと時間をかけて、必ずしゃべりながら食べますね。日本人のように急いで詰め込んだりはせず、ゆっくりとよく噛んで、歌ったり踊ったりしながら…。 |
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| 渡辺: |
“食べること=コミュニケーション”なんでしょうね。イタリア人は本当に会話を楽しみながら食事をします。彼らにとって食事というのは単に食欲を満たすための行為ではなく、楽しい時間を過ごすために必要不可欠なものなんでしょうね。 |
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| 日高: |
渡辺さんぐらいイタリア生活が長いと、日本での生活は窮屈じゃないですか? |
| 渡辺: |
そうですね(笑)…。先ほど昼寝の話が出ましたけど、正直言うとお昼は少し寝たいです。
私は朝早く起きるのが実は好きなんですが、あまり朝早く起きてしまうと夜もたなくなるので、意識的にゆっくり寝ているぐらいです。 |
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----- 南イタリアでは同じお店で修業をされたとお聞きしました。 |
| 渡辺: |
はい。時期は日高さんの方が早くて、一緒に修業していたわけではないですけど。
「ドン・アルフォンソ」というナポリの郊外にあるレストランです。 |
| 日高: |
私が「アクアパッツァ」という料理に出会って、現在の店名にするほどインパクトを受けたのがこのレストランでした。
私がいたのはまだ(ミシュランの)1ツ星だった頃で、厨房はナポリの人ばかり。私がはじめての外国人スタッフでした。 |
| 渡辺: |
南イタリアの料理を学ぶという点では、日高さんが修業されていた頃がいちばんいい時期だったんじゃないですか。
私はもうずっとあとで、すでに3ツ星になっていました。それでリフォームもしてフレンチレストランのグランメゾンのようにリッチになっていましたし、シェフもベルギー人でしたから。 |
| 日高: |
そうですか。その頃行ってたら全然印象違っていたでしょうね。「アクアパッツァ」という店名もつけてなかったかもしれない…。 |
| 渡辺: |
具体的には「ドン・アルフォンソ」でどんな印象を受けたんですか? |
| 日高: |
まず、北イタリアとは全然違うなぁということですね。私がいた頃は、洗練されたものを出そうとしていたんだろうけど、すごくダサかった(笑)。
でも厨房に入って料理をつくっているところを見てみると、とてもきれいで色っぽいんですね。とくにアクアパッツァの原型だというシンプルな郷土料理は、ものすごいインパクトがありました。 |
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| 渡辺: |
フレンチを学ばれ、北イタリアの有名レストランでいろいろな料理を勉強されていたからこそ、南のシンプルさがとても印象的だったんでしょうね。 |
| 日高: |
食材の旨みを引き出すという部分の単純さ、ですね。これはもう衝撃的と言ってもいいくらいすごく印象的でした。 |
| 渡辺: |
南イタリアの料理は、あまりフォンドボーやブイヨンは使いませんよね。ほとんど水だけ。補助的に野菜のブイヨンぐらいは使いますけど、基本的に出汁をひいて旨みをつけるというような発想は南イタリアにはないみたいです。
魚の出汁を出したかったら魚を丸ごと入れれば自ずと出汁が出る、というような考え方なんでしょうね。 |
| 日高: |
そうですね。“単純”とか“シンプル”という言葉だけでは表し切れないのですが、そういうところに南イタリアの料理の良さがあるんだと思います。 |