| ------ イタリア料理のヘルシーな点についてお話をいただけますか? |
| 山根: |
まずイタリア人の食べ方で気づくことがあります。
日本人はいろいろなものを一緒に食べたがりますよね。前菜が魚だったら、メインは肉にしようだとか。私の知っている限りイタリア人というのは、今日は魚といったら魚だけ、アスパラガスが食べたいと思ったらアスパラガスだけ。単品勝負なんですよ。
日本人の場合、アスパラガスを食べるにしても、あれにこれにそれも…と材料を混ぜたがるじゃないですか? |
| 渡辺: |
確かに。日本人はアスパラガスだけが食べたいんじゃなくて、アスパラガスを使った何かが食べたいという感じですね。 |
| 山根: |
ですよね。でもイタリア人は割り切りがいいというか、今日はアスパラと決めたら本当にアスパラなんです。“アスパラづくし”というわけじゃなくて、アスパラのこんな料理が食べたい! 魚といったら今日はもう魚! 肉といったら肉! 口の中でほかのものが混ざるのは気持ち悪い! …といった感じです。
日本人は懐石料理とかがそうですが、いろいろなものがちょっとずつ出てきて口の中で混ぜるんですよ。それが不思議じゃない。
でもイタリア人はひとつを食べはじめたらそれが終わるまで次にいけない。それが特徴として料理にもあらわれていて、ある意味とてもヘルシーだと思います。
つまり、アスパラガスならアスパラガスの“特質・おいしさ”というものを本当に引き出す料理なんですね。もうそれしかないんです。いろんなものを混ぜていろんな食感を楽しむとか、いろんな混ざった感じを楽しむのではなくて、単品それだけ、なわけですから。 |
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| 渡辺: |
単純に考えちゃうと、いろんなものを一緒に食べた方がヘルシーだということになりますが…。 |
| 山根: |
栄養学的にはそうですね。でも、私はその“特質・おいしさ”を引き出すことだけに特化したところに割り切りというか潔さを感じます。そして、そういう点がヘルシーさに通じるのではないかと思うんです。 |
| 渡辺: |
「旨みを逃がさない」ということが「栄養や体によい成分も逃がさない」ということでヘルシーにつながるんですね。 |
| 山根: |
はい。そして、とってもピュアなんですね、味が。私の目指す料理もピュアな料理です。やたらとブイヨンで煮込んで、ああして、こうして…という料理ではなく。 |
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| 渡辺: |
フォンドヴォーを入れて、どうして、こうして…ではなくてね。 |
| 山根: |
たとえば、ミネストローネは野菜を炒めてパンチェッタぐらい加えたら、出てきた水分にちょっと水を足すぐらいでしっかり火を入れて旨みを出す。素材のほかは水をちょっと加えるだけで料理はできてしまうんです。 |
| 渡辺: |
山根さんの料理教室を見ていると「じゃがいもをゆでるとき、たっぷりの水でゆでるな」とおっしゃっていますよね。「必ずひたひたの水で」と。これは、お湯はゆで終わった捨てる…そうすると旨みも捨てることになるということなんですよね。 |
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