| 渡辺: |
春に続き、再度のご登場ありがとうございます。今日はよろしくお願いします。 |
| 片岡: |
こちらこそよろしくお願いします。 |
| 渡辺: |
さっそくですが、片岡さんが「アルポルト」を始められたのは何年でしたでしょうか? |
| 片岡: |
83年です。もう20年以上前ですね。 |
| 渡辺: |
20年以上! もうそんなになりますか。
片岡さんが日本で大成功されて今の地位を築かれたのは、本場のイタリア料理をただそのまま日本で再現するのではなく、いかに日本人の嗜好に合わせるかということを真剣に考えられたからだと私は思っているのですが、そのあたり、ご自身ではいかがでしょうか? |
| 片岡: |
ミラノで修業をしているときに「ダリーノ」というお店を見にいって食事をしたんですよ。そこは小皿料理のお店で、13皿ぐらい少しずついろいろな料理が出てきたんですね。それを見たときに、こういう日本的な感覚のイタリア料理もあるんだなと感心しました。 |
| 渡辺: |
当時のミラノでそういうスタイルのお店というのは珍しいですよね。 |
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| 片岡: |
そうですね。でも昔からそういうスタイルはあったみたいです。
前菜からメインまで、実際はお皿は小さいわけじゃないんですが、それぞれが小ポーションなんですね。小さいお肉がさらに薄切りにされて出てきたり、カルトッチョが出てきたり、大きな魚まるごと1匹の料理はみんなで少しずつ取り分けたり。
たったひとつのものをバーンとダイナミックに食べるというのが元来のイタリア料理のスタイルですよね。でも、いろいろなものを少しずつ食べて楽しむということをそのお店で見て、体験したんです。
そのとき“料理というのは楽しまなければいけないんだ!”ということに気づきました。
つまり、楽しむ方法としての小皿料理ですね。私は絶対これを日本に帰ってからやろうと思ったんですよ。
そして25歳で帰国して、もう一度ちゃんと腕を磨こうと思って小川軒に修業に出たんです。
そうしたら…小川軒も小皿料理だったんですよ! |
| 渡辺: |
ああ、そういえばそうですよね。 |
| 片岡: |
そう。オードブルだけで9皿出るんです。それからスープがあって、お魚があって、お肉があって…それらが少しずつ出てきてちょうどお腹がいっぱいになる。…すでにやってる人がいたというわけですね。
それで28歳のとき「マリーエ」のシェフになったとき、オーナーに、私はイタリア料理をこういうスタイルでやりたいんだと言ったんです。最初は反対されましたが、結局好きなようにやらせてもらいました。私の小皿料理というのは、そこから始まったんです。 |