近畿
明石焼き
明石焼き
たこ焼きのようで、たこ焼きにあらず。「たこ焼き」と「明石焼き」が大きく異なるのは、地元では「玉子焼き」と言われていることからもわかるとおり、ゆるめの生地には卵がふんだんに入ること。それと、ソースではなく、カツオや昆布のだし汁につけて食べること。この違いだけでも、明石焼きには、たこ焼きとはまるで異なる味わいがあるものです。
丸く焼いても皿にとると平べったくなってしまうほど、明石焼きはふわふわとやわらかく、箸でつまむのも難しいくらいですが、その秘密は卵だけでなく、小麦粉のほかに混ぜられる「じん粉(こ)」にあります。じん粉は、小麦粉からグルテンを分離させた「でんぷん」のことで、ふつうは「浮き粉」と呼ばれます。ふわふわの明石焼きには、このじん粉が欠かせません。また、たこ焼きは通常、鉄板で焼かれるのに対し、明石焼きは薄い銅製の専用型で焼くお店がほとんどです。
明石焼きの起源についてですが、今からおよそ160年前の天保年間、明石に「明石珠(玉)」という工芸品がありました。これは卵白を使用した珊瑚の代用品で、かんざしなどに使われました。卵の白身を使うので、黄身のほうが余ってしまいます。そこで卵黄と、明石でよく採れたタコを使って「玉子焼き」が生まれたという説があります。明石焼きが大阪のたこ焼きの元になったというのは、「たこ焼き」の項で触れたとおりです。
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