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写真提供:三重県観光連盟 |
ずんぐりと太く、やわらかな麺。つゆではなく、タレと呼ばれる、黒く濃厚なかけ汁。これが三重県伊勢地方に伝わる「伊勢うどん」の特長です。伊勢商工会議所が発行したリーフレットによると「伊勢うどん」の原型は、江戸時代より以前から既にあったと言い、当時の農民は地みそからできた「たまり」をかけて食べていたのだそうです。明治以降は、伊勢参りの街道筋で旅行者にも人気を博したようで、中里介山の代表作『大菩薩峠』(大正2年〜昭和16年)には、「このうどんを生きているうちに食わなければ、死んで閻魔(えんま)に叱られる」と、土地の人に言われているエピソードが紹介されています。
「伊勢うどん」の極太麺は、ゆでる時間がたいへん長く、通常のうどんが15分程度なのに比べ、その3倍ほどもかかります。中にほんの少し芯を残す程度までじっくりゆでることで、ふんわりとやわらかな食感が楽しめます。タレは、アジやカタクチイワシなどの煮干し、鰹節、昆布などのだしに、たまりやみりんなどを加えてつくります。真っ黒な見かけは辛そうに見えますが、意外にあっさりしています。具をあまり入れないのも特長で、今でもネギだけのシンプルな「素うどん」が人気です。 |
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