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一度にたくさんのパンをつくるパン工場。そこで使われているイースト(酵母)の大部分は、水分が約70%もある生イーストです。しかし、この生イーストは冷蔵庫で保管しないと数日中に活動力が鈍ってしまい、パンづくりには適さなくなります。
そのため、一般に家庭では、保存性を高め、配送、保管に便利になるように水分を生イーストの十分の一程度にしたドライイースト(乾燥酵母)が使われます。
イーストは顕微鏡でなければ一つ一つの細胞を見ることができない、小さな小さな微生物です。私たち人間は、無数の細胞が集まって生命をもっていますが、微生物は細胞それ自体でちゃんと独立した生活ができ、食物を食べたり活動したりします、形状は卵形、円形あるいは楕円形で、大きさはおよそ3〜10ミクロン(1ミクロン=1/1,000ミリ)ぐらい。食物が十分にあり環境条件がよければ出芽して増えてゆきます。生イースト、ドライイーストともに、たん白質、炭水化物、脂肪のほか、各種ミネラルやビタミンなどを豊富に含んでいます。
パンの原料を全部まぜ、ねりあげたかたまりを生地といいますが、なぜ、イーストをまぜこんだ生地がふくらむのでしょうか。イーストは生地のなかに含まれる糖分を発酵させ、炭酸ガス、アルコール、有機酸、エステルなどをつくります。一方、小麦粉に含まれるたん白質は水にあうと弾力性のあるグルテンをつくり、このグルテンが炭酸ガスを包みこんで生地は膨張するわけです。発酵によってできるアルコールや有機酸などは、パンの風味をつくるのに役立ちます。
イーストが糖分をもっともよく発酵させるのは30℃付近で、パンづくりに普通使われる温度範囲は25〜35℃です。温度が低いと発酵が遅れ、10℃以下ではほとんど止まってしまいます。反対に50℃以上では死滅のおそれがあります。
日清製粉からは、「スーパーカメリヤ」として市販されています。細かい顆粒状でアルミ箔で真空包装され、固くギュッとしまっているのが普通です。中身は50g入りと18g入り分包(6g×3袋)、それにスティック(3g×10本)の3種類。有効期限は製造後約1年です。なお、このタイプは予備発酵をせず、直接、粉にまぜて使うことができます。ただし、冬期の温度が特に低い時や、イーストの効力をたしかめる時は予備発酵します。
※予備発酵方法
(温度の低い時、リッチな配合の場合)
<小麦粉300gを使用する場合>
■ドライイースト 6g(小さじ2杯強)(小麦粉重量の2%)
■40℃の温水 100cc(カップ1/2杯)(こね水全量のうちより)
■砂糖 3〜4g(小さじ1杯)(温水の量の3〜4%)
■200cc位のカップ 2個
(1)カップにドライイースト6gを入れます。
(2)温水(砂糖入り、40℃)を100cc入れます。
(3)ハシ状のもので軽く2〜3回かきまぜます。
(4)5分程で泡だちはじめ、10〜15分で、予備発酵は完了します。
ドライイーストは生きています。しかし、温度、湿度、空気(酸素)などの状況によって異なりますが、その活性は保存中に少しずつ失われていきます。ですから、低温、低湿度、低水分、真空または窒素充填の状態の方が保存には好ましいわけです。したがって、市販の形態は真空包装のアルミ箔入りで固くしまっています。ご家庭でお使いになったあとは、アルミ箔の上部を2〜3回折りまげ、さらに、セロハンテープで密封し、瓶やポリ袋に入れて冷蔵庫(0〜10℃)または冷凍室で保存してください。
※開封後は活性が失われやすいので、なるべく早めに使いきってください。(アルミ箔に開封した日付を記入すると便利です。)
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