古代のパン製法の伝統を受け継いでいるという点では、インドに代表されるチャパティの右に出るものはない。材料はふすま入りの小麦粉で、ときには大麦や雑穀、豆の粉も混じる。これが、アタ。料理法はアタに水を加えて練り、直径20cmぐらいの円板状にしたものを鉄板などで焼くという素朴なものである。完全な無発酵平焼きパンといえる。アタには、せいぜい塩を加えるぐらいで、これといった工夫はしない。
この粉の中身や焼き方によって、別の呼び方がされている。
たっぷり油をひいて焼くのがパラタで、チャパティより厚い。油をひかない鉄板で焼き、直火にかけて水分を抜き、膨らませてから油を塗るのがプルカー。1.5〜2cmに厚く焼いた油気のないものがロティ。このほかに、プウリーと呼ばれる揚げパンがある。これは、祭りなど特別な日に欠かせないもので、インドパンの中では最上のもの。ヒンズー教徒は、油は穢(けが)れを除くと考えていることから、プウリーは、宗教行事の主食の位置を占めている。
いずれにせよ、小麦粉を練って、鉄板で焼く、ただそれだけ。乾いたインドの大地のようなチャパティだが、小麦胚芽などが含まれていることから、意外に栄養価は高い。 |
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