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女神イシスと小麦
エジプト神話に登場するイシスは、ちょうど日本神話のイザナギ、イザナミのように、オシリスと対で表される原初の夫婦神の妻にあたる。このイシスは、さまざまな姿で描かれているが、17世紀、ドイツのキルヒャーが描いたイシスは、穀物の女神として、頭に小麦をいただいている。

キルヒャーは当時のヨーロッパにあって、東洋へのイメージを豊かにした人で、エジプトからさらに中国まで、科学と奇想とがないまぜになったような不思議な絵を描いている。彼の描いたイシスも、そうした絵というより図説の1枚で、イシスの持ち物、装飾にひとつひとつラテン語による説明がつけられている。

その頭にいただいた5つの穀物のうち、両端にあるのが小麦で、そこにはラテン語で、「小麦の発見」という説明が書き込まれている。キルヒャーによれば、エジプトの神々のなかでも大母神として最高位にある女神イシスは、小麦の発見者でもあるわけだ。
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