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ガリバルディという名のスパゲッティ
ジュゼッペ・ガリバルディ、イタリア民族統一運動の英雄。1859年、サルジニア王ビットリオ・エマヌエレ2世のイタリア統一戦争に参加、翌60年、<千人隊(赤シャツ隊)>をひきいてシチリアに遠征、南イタリアを奪取し、サルジニア王に献じた。

このガリバルディのシチリア遠征を背景にして、古い時代に生きたシチリアの公爵が新しい時代に自分の場を譲っていくという、トマジ・ディ・ランペドゥーサの小説をもとにしたビスコンティの映画<山猫>があった。公爵ドン・ファブリチオはバート・ランカスター。そしてアラン・ドロンが赤シャツ隊の一員になっていた。

ところでこの赤シャツ隊のシチリア遠征にちなんでナポリで<ガリバルディ>という名のスパゲッティが生まれた。

16世紀にペルーあるいはメキシコからヨーロッパにやってきたトマトは、サクランボを少し大きくした程度の大きさだったという。新大陸からのこの珍しい果菜は、やがてイタリアでパスタとしあわせな出会いをすることになる。トマトの採用は、パスタ料理の調味料のあり方をすっかり変えた。あまつさえナポリをスパゲッティの都にした。

このころ、ナポリでは街頭に大きなかまをすえて、即席でスパゲッティを売っていた。2チェンティシモ(100チェンティシモは1リラ)払うと、ひとつまみの粉チーズで味付けしたフォークひとさし分のスパゲッティが買えた。客はそれを2本の指でつまんで高く持ちあげ、口のなかへほうりこむ。もう1チェンティシモ余計に払うと、これにトマトソースがつく。この3チェンティシモのトマトソースあえスパゲッティを、トマトと同じ色の衣装をきたガリバルディの赤シャツ隊にちなんで<ガリバルディ>と名づけたのである。

ちなみに<ガリバルディ>の作り方を紹介すれば、トマトをその果汁だけで煮込み、そこに塩ひとつまみとバジリコの葉4〜5枚を加える。それをアルデンテにゆであがったスパゲッティにかける、というきわめて簡単なもの。民族統一の英雄の苦労はしのぶべくもない。
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