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お菓子のこぼればなし
ビスケットのよくでき過ぎた話
よくでき過ぎた語源説というのがよくある。たとえば…1800年代の初めのこと、ビスケー湾でイギリス船が難破した。陸地にたどりついた乗組員は飢えをしのぐために、海水に浸ったまま船内にあった小麦粉や砂糖などをこね合わせて、即席のパンを焼いてみた。やがて救助されて故郷へ帰った彼らは、あのときのパンの味が忘れられず、いろいろな工夫を加えて、おいしい菓子をつくりあげた。ビスケー湾にちなんで、その菓子はビスケットと名付けられた、と。なかなかよくできた話なのだが、これには、彼らの祖国の大文豪シェークスピアが1600年、エリザベス朝末期に書いた〈お気に召すまま〉にbyscutebrede(<ビスキュート・ブレード>2度焼きしたパン)なる言葉がすでに登場している、という事実を示すだけで十分だろう。

でも、ブルターニュとイベリア半島に囲まれたビスケー湾が北西風の起こす海荒れと4〜6mに及ぶ干満差のために古来、遭難の名所であったことからいうと、この説にもいささかの真実性がないわけではない。
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