コナモン・イベントレポート
料理講習会などを通して、食の社会貢献活動を続ける「ベターホーム」。
昨年おこなわれた創立55周年イベントに「日清製粉グループ」「一般社団法人日本コナモン協会」も参加しました。定員をはるかに超える応募があった「たこ焼教室」の様子をレポートします。
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- 「ベターホーム」の55周年イベントでたこ焼教室
- 食生活を応援し続ける「ベターホーム」の55周年料理イベントに、日清製粉グループと一般社団法人日本コナモン協会が協賛。無料講習会「家庭で楽しむ“めざせ!日本一うまいたこ焼”」に応募が殺到しました。
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- 日本コナモン協会会長の、熱いたこ焼レッスン開始!
- いよいよ、日本コナモン協会会長熊谷さんによる実習開始!卵を泡立て、粉を入れて・・・。
たこ焼の味は、だしが命!日清製粉グループのたこ焼粉には、きちんとかつおや昆布のだしがしのばせてあるので便利です。
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- 秘密兵器“たこぼうず”登場
- 焼く段階になり、たこ焼をおいしくするという謎のアイテム「たこぼうず」が登場。
正体は、熊谷さん自作のキッチンペーパーをアルミホイルで包むだけで完成するオリジナル油ひき。
より緻密に油がひけるそうです。
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- たこ焼を上手に焼くための3つの心得
- たこ焼をおいしく焼くポイントは「たこ焼の球体の中に○○をつくる!」「たこ焼、みな兄弟」「丸くなっても、いらい続ける」。さて、どういうことでしょう?気になる方は、下の記事を読んでみてくださいね。
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- コナモン協会会長のお手並み拝見!
- 早速、たこぼうずで油を引きます。生地はプレート面全体に流し込んでOK。
具はタコと天かす、このふたつがマスト。
菜ばしで「いらい続ける」ことで、ピカピカ光るおいしそうなたこ焼の完成です。
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- 日本一うまいたこ焼づくりを実践!
- 今度は受講者の方たちが調理実習をスタート。
たこぼうずで油を引くと「穴に満遍なく油がひける!」と感心の声を上げる受講者さんも。
試食タイムでは、“カリッ&トロッ”の食感に「おいしい」の声が飛び交いました。
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- 家庭でもおいしいたこ焼を焼いてみよう
- こうしてイベントは盛況のうちに終了。
おいしく作るために大切なことは、どのたこ焼にも平等に愛情をそそぐ、コナモン愛。
あなたもぜひ「たこ焼を上手に焼くための3つの心得」を参考にして、家庭でたこ焼を焼いてみては。
「ベターホーム」の55周年イベントでたこ焼教室

2018年に創立55周年を迎えた「一般財団法人ベターホーム協会」。東京・渋谷や大阪・梅田など全国11都道府県にある料理教室での講習、インターネットでの調理道具・食品の販売、また刊行物などを通じた情報発信で、昔も今も、日本人の食生活を応援し続けています。
その55周年イベントがおこなわれたのは、2018年9月最後の週末。10以上のセミナー・料理教室が開催され、いずれも人気を博しました。
もちろん「日清製粉グループ」と「一般社団法人日本コナモン協会」協賛の無料講習会「家庭で楽しむ“めざせ!日本一うまいたこ焼”」にも、参加応募が殺到。当日は幸運にも当選した、64人(2日間合計)の方が東京・渋谷の会場に足を運んでくださいました。

まずは株式会社日清製粉グループ本社 総務本部・広報部の浅間隆之さんからご挨拶。55周年を迎えたベターホームさんへの祝辞、今回の講習会の企画意図、また日清製粉グループサイト内「コナモン探検隊」のご案内がありました。
続いてバトンを受け取るかたちで「一般社団法人日本コナモン協会」会長の熊谷真菜さんが登壇。「おいしいたこ焼のつくり方を知りたい!」という受講者さんの熱意で、会場には若干、緊張感が張り詰めていましたが、そこはさすがの熊谷さん。たくみな大阪弁で場の空気を和らげていきます。
日本コナモン協会会長の、熱いたこ焼レッスン開始!

「じゃあ、まずは卵を溶きほぐすところから始めましょう」。
カンカン、パカッ。4人グループでたこ焼器を囲む受講者さんが、一斉に卵をボウルに割り入れる音が響きます。
今度はカタカタ、と泡立て器がボウルの上を回転する摩擦音。まだ調理実習も始まってすぐの時間帯。お互い初対面で、受講者の表情、仕草もまだどこか遠慮がち。皆、黙々と作業に励みます。
卵の次はたこ焼粉(日清製粉グループの商品を使用)。薄力粉とはちがい、きちんとかつおや昆布のだしがしのばせてあるので便利です。
「たこ焼の味は、だしが命なんです!」と声を大にする、熊谷さん。「タコもおいしいけど、まずはだし」「ソースをプラスするのもいいけど、まずはだし」と、泡立て器を動かしながらだしの大切さを力説します。



秘密兵器“たこぼうず”登場
卵とたこ焼粉のかくはんが終了。ここでたこ焼をおいしくする、秘密兵器の登場です。
その名も「たこぼうず」。タコのボーズ?受講者さんの脳内が「???」となっているところで、熊谷さんの説明がスタートします。
キッチンペーパーをアルミホイルで包むだけで完成する油ひき、それが、たこぼうず。キッチンペーパーの大きさを家庭のたこ焼器の幅にあわせれば、より緻密に油がひける便利なアイテムです。このひと手間が、おいしいたこ焼づくりに繋がるのです。



たこ焼を上手に焼くための3つの心得

さて、ここからしばらくは座学の時間。熊谷さんの手元、たこ焼を焼く工程を目で追ってから、受講者さんもたこ焼づくりにトライします。
まずは説明の前に「今日受講している方のなかで、おうちにたこ焼器がある方はおられますか?」と質問。熊谷さんの問いに、数人が手を挙げます。大阪のように「一家に一台」とまではいかないけれど、東京にもたこ焼文化が根付いているなぁと、熊谷さんも嬉しそうです。

そして「たこ焼を上手に焼くための3つの心得」が熊谷さんから説明されます。
スクリーンに映された文章のなかには「○○」の伏せ文字も。一方的に説明しては、受講者の方々が退屈してしまうので、クイズ形式に。あくまで参加式の講習なのです。

まずはひとつめの心得。「たこ焼の球体の中に○○をつくる!」。さぁ、わかる人はいますか?との熊谷さんの問いに、手を上げる受講者さんはいません。うーん、なんだろう???

答えは「空洞」。ひっくり返すことで、球体になっていくたこ焼。球体の中に空洞をつくることで、中の空気がタコのうま味を生地に移行させるのだそう。うーん、難しい問いだけど、納得です。

ふたつめは「たこ焼、みな兄弟」。これも、受講者さんに答えられる人はいなかったけれど、なんと響きのいいフレーズでしょう。
「たこ焼は1個1個、素質も育ち方もちがうので、どの子にもまんべんなく愛情を注ぎ、手早く全体を返してください」と熊谷さん。

最後、3つめの心得は「丸くなっても、いらい続ける」。
“いらう”は関西弁で、いじるという意味。「ある程度丸くなっても、返す手を止めないでください。たこ焼器は場所によって温度の差異があります。まだ中まで火が通っていないたこ焼があれば、生地をつぎたしたり、高温の場所に移動したりして、最後までいらって(いじって)あげてください」。
コナモン協会会長のお手並み拝見!

3つの心得をあわせると「最後の最後まで、まるで一つ一つに等しく心を配ってたこ焼をいらい続け、中の空洞はキープする」。こうすることで、おいしいたこ焼を完成させることができるのです。次に実践に移る熊谷さん。まずは、たこぼうずでプレートに油を引いていきます。
油をひいたら、生地を流し込みます。「1個1個の穴に、几帳面に入れていく方もおられますけど。一箇所、たとえば中央の穴に集中的に流し込めば、ほかの穴も浸されていきます」。
なんなら穴からこぼれ出て、プレートの縁にもいきわたってもOK。プレート面全体に生地を流し込むくらいが、ちょうどいい塩梅のようです。
生地が行きわたったら、今度は穴のひとつひとつに、タコを入れていきます。お次は天かす。「タコと天かす。このふたつがマストです。紅ショウガやネギは、お好みで。おいしいたこ焼には必ずしも必要ではない、と私は考えています」。







しばらくするとたこ焼き器から蒸気があがりはじめました。プレートの端を見ると、生地がやや持ちあがって、クレープのように焼け始めています。
「そろそろひっくり返すタイミングです。まずは菜ばしで、たてたてよこよこ、穴に沿って生地に区切りを入れてあげましょう」。24個焼けるたこ焼器なので、プレートの生地の上には、24個の四角が並びました。
ちなみに熊谷さん曰く、たこ焼を返すのは、お店でよく見る“千枚通し”でなくても、菜ばしで十分だといいます。
たこ焼を返すときのポイントがもうひとつ。「持ち上げて一気に180°返すのではなく90°で止める。その代わりに焼き加減を見て、さらに90°返すのを忘れないでください。ちょっとずついらい続けるほうが、焼きムラが少なくなります」。ここがお好み焼とたこ焼で、焼き方が異なるところです。

いらい続けること、十数分。この間、本当にたこ焼をいじることをやめない熊谷さん。焼けていれはどんどん返し、タコが飛び出したら生地をちょっとたしては焼き直し、たこぼうずで油を生地にたしては焼きムラをなくしていきます。
そうこうするうちに、いいだしの香りを放ち、表面はピカピカ光る、見た目からしておいしそうなたこ焼きが完成しました。
日本一うまいたこ焼づくりを実践!


さぁ、お手本を見て、今度は受講者の方たちが調理実習をスタート。熊谷さんも各テーブルを回って、焼き方のコツをアドバイスしていきます。
まずは、たこぼうずでプレートに油をひき、次は生地を一箇所から流し込んでいきます。「このたこぼうず、穴に満遍なく油がひける!」と感心の声を上げる受講者さんも。熊谷さんの実践を見た直後とあって、どのテーブルも順調に工程が進んでいるようです。

生地の端がクレープのように焼けてきたら、さぁ、返すタイミングです。
「菜ばしでも返せたんですね。うちは竹ばしを使っていたんですが、うまく力が入らなくて困っていたんです」。菜ばしの応用力に感心する受講者の方も。
90°ずつ返しいらい続けていたら、受講者のみなさんのテーブルからも、次々とだしのいい香りが。たこ焼の完成が近づきつつあるサインです。





「たこ焼はみな兄弟、中の空洞を意識しながら、最後までいらい続ける」。受講者さんもこれを実践していたら、どのテーブルからも完成!の声と拍手が。はじめは受講者さんの間にあった遠慮も、いまは皆無。たこ焼づくりが、みんなの距離をグッと縮めてくれたようです。


できあがったたこ焼は、舟皿に取り分けていただきます。このときも菜ばしが大活躍。
「ソースなど、お好みで使って食べてください。でも、その前に必ず、そのまま食べてみてください。タコとだしの味が染みわたって、本当においしいですから」と熊谷さん。





お待ちかねの試食タイム。急いでかぶり付いて「熱っ!!」と小さな悲鳴も聞こえましたが(くれぐれもやけどにはご注意を)、会場のあちこちから「おいしい」の声が飛び交います。
焼きの甘い箇所は油をぬりながら焼いたので、表面はカリッと。しかしいらい続けることで焼きすぎることは決してなく、ゆえに中はトロッとした食感に仕あがりました。
「カリッ&トロッとでも、生焼けではないんですよ。3つの心得を思い出して、このおいしさと食感、ご家庭で再現してくださいね」。こう話して、熊谷さんはイベントを締めくくりました。
家庭でもおいしいたこ焼を焼いてみよう
こうしてイベント「家庭で楽しむ“めざせ!日本一うまいたこ焼”」は盛況のうちに終了。
お店で食べられる“カリッ&トロッ”のおいしさと食感は、家庭では難しいと思われがちですが、大切なのは、どのたこ焼にも平等に愛情をそそぐ、コナモン愛なのです。
あなたもぜひ「たこ焼を上手に焼くための3つの心得」を参考にしながら、家庭でたこ焼を焼いてみてはいかがでしょうか。
取材・文/岡野孝次