それいけ!コナモン探検隊!

コナモンライブラリ

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製粉の始まりは石臼から


今では身近な食べ物であるコナモン。しかし日本では製粉の技術が普及していなかったため、江戸時代までは貴族の高級食として一部の人しか口にできないものでした。

小麦栽培の始まりは、約1万年前の新石器時代。メソポタミアのジャルモ遺跡(イラク)からは、約9千年前の農具とともに石臼が出土されています。約6千年前の古代エジプトでは小麦用の手動の磨(す)り臼“サドルカーン”が使われており、その3千年後には回転式の石臼“ロータリーカーン”が発明。中国でも約4千年前から石臼による小麦製粉がスタート。世界各地で長い時間をかけて、製粉技術が芽吹いてきました。

米も小麦も当初は粒のまま、食されていたに違いありません。米は粒のまま炊いてもおいしくなりますが、小麦は皮が硬いため皮をはずしたところおいしくなったので、粉にして食べることが定着したといわれています。

産業革命で大量生産が可能に

1558年、イタリアで「ロール製粉」が考案されます。高速回転させたローラーの溝で、小麦を押しつぶして粉にする仕組みは実用化には至りませんでしたが、これを機に産業革命とともに、各国で技術改良が進みます。イギリスで開発された「蒸気機関」を用いて、1780年に製粉工場が設計され、1785年、アメリカで完全自動化の製粉工場が完成しました。

1807年にはオーストリアのパウアが「ピュリファイヤー」を発明。これは篩(ふるい)だけでは分離できない小麦の皮の破片=ふすま片を、篩と吸引で分離するマシン。篩を通る際、上から掃除機で軽いふすま片を吸い上げます。いま私たちが手軽に小麦粉を手に入れられるのも、この「ピュリファイヤー」によって生産効率が上がったためといわれています。

メリケン粉の伝来


1873年には、スイスで「ロール製粉機」が発明されます。近代の製粉技術は、「ロール製粉」「蒸気機関」「ピュリファイヤー」の三つの誕生で完成。ロール製粉機で挽いた粉は、石臼挽きよりも高品質、最高級のブランド粉だとして評判に。1879年、アメリカで上記の3要素を兼ね備えた近代的な製粉工場が完成し、パンケーキミックスが登場。ドーナツやクッキーなど家庭で幅広いコナモンが作られるようになりました。

こうして良質な小麦粉が大量に市場に広がり、リーズナブルな存在に。日本でのお目見えは1882年。国内小麦の不足分を補うべくアメリカから購入し、国内産のうどん粉と区別する意味で「メリケン粉(アメリケン粉)」と呼ばれるようになります。

参考文献:石毛直道監修『講座食の文化 第一巻 人類の食文化』(農山漁村文化協会 1998年)