やくだつ読みもの

MAGAZINE

糖質コントロールでエネルギーアップ!
カーボローディングをマスターしよう
第2回

フルマラソン、登山など
持久力系スポーツの前に最適
パフォーマンスを高める
カーボローディング法

カーボローディングのメリットを学んだら、次は実践してみたくなりませんか?そこで、一般の方でも手軽に挑戦できる、持久力向上のための具体的なカーボローディング法をご紹介します。

※カーボローディングは、健康な方が長時間のスポーツなどを行う際に取り入れる食事方法です。糖尿病や脂質異常症など、健康面で差し支えがある場合は取り入れないようにしてください。

いざ実践!
カーボローディングの食事の仕方

健康志向の高まりに伴い、一般の方でもフルマラソンやロードバイク、トライアスロンなど、長時間かかる持久力系スポーツにチャレンジする方が増えてきているようです1)2)。長時間の体力勝負のスポーツで、最後までスタミナがもたない、後半にいつもパワーダウンする、という方は、ぜひトライしてみてください。

実際に長時間運動をする日程の1週間前から3日前までは低糖質食期になります。食事から糖質を除いていき、高たんぱく・高脂質食に変えていきます。これは糖質を極力摂らないことで、体内のグリコーゲンを少なくすることを目的としています。古くから行われている古典法では糖質を食事全体の40%程度に抑える方法がとられていましたが、急な糖質制限によって集中力の低下をはじめとした体調不良を感じる場合があります。その場合は糖質50~60%、たんぱく質10~15%、脂質25~30%の比率で摂取する改良法がおすすめです。どちらも効果は変わらないとされていますので、体調の様子を見ながら調整しましょう3)
■この期間におすすめ
「糖質を少なくする」と難しく考えず、「おかずだけにする」と考えると取り組みやすいかもしれません。主食を食べなくても、おかずの中に糖質が含まれていますので、極端な糖質カットの心配はありません。
[主食]
いつもより少なくしましょう。食べなくても平気な方は、主食をカットしてもよいでしょう。
●ご飯(少なめ)
●そば(少なめ)
[副菜]
肉・魚・卵などのたんぱく質を中心に摂取するようにしましょう。洋風食にすると、おかずだけでも満足感を得やすいでしょう。
●ハンバーグ
●チキンステーキ
●野菜炒め
●焼き魚
●卵焼き
●酢の物
●ツナサラダ
[その他]
間食などでもたんぱく質が摂れる食材を選んでみましょう。
●ナッツ
●チーズ
●ヨーグルト
●納豆
スポーツ実施の3日前になったら、高糖質食に切り替えます。1日の食事の70%程度を目安に糖質を摂取しましょう。ご飯や麺・パンなどを中心に、さつまいもやじゃがいもなどのいも類や根菜などの野菜も糖質を摂取することができます。量が多く食べられない方は、フルーツや甘いものも活用してみましょう。洋菓子は脂質を多く含むので、甘いものを食べるなら和菓子がおすすめです。
■この期間におすすめ
ご飯や麺など主食を中心にエネルギーを一気に蓄えましょう。
[主食]
ご飯をたくさん食べるためには工夫が必要です。いろいろな食べ方を取り入れてみましょう。
●炊き込みご飯
●チャーハン
●力うどん
●スパゲッティ
●焼きそば
●あんぱん
[副菜]
脂っぽいものは徐々に少なめにしていきましょう。和食中心にすると脂質を控えることができます。糖質であるいも類やにんじんを効果的に活用すると、糖質の摂取量が増えます。
●シチュー
●里芋の煮っころがし
●煮魚
●いもやにんじんを使ったおみそ汁
●ゆでとうもろこし
[その他]
フルーツの果汁や甘いものも積極的に摂取しましょう。また、ご飯を多く食べられるように、佃煮などの「ご飯のお供」をうまく活用すると良いでしょう。
●バナナ
●オレンジ
●白玉団子
●おしるこ
●ふりかけ
●佃煮
本番当日も糖質の多い食事が基本です。脂質の多い食事は避けましょう。あまり量を食べすぎると消化しきれず、運動中の腹痛や体の重さにつながります。運動をする2時間前には食事を済ませておきたいところです。
■この期間におすすめ
当日は、糖質の中でも消化が速く当日にエネルギーとなるGI値 注)が高いものがおすすめです。
注)GI値とはグリセミック・インデックス値の略で、食品を摂った際の糖質の吸収されやすさをあらわした数値です。
[主食]
炭水化物はどれもエネルギーになりますが、特に食パン・コーンフレーク・もちなどがおすすめです。
●サンドイッチ
●ホットケーキ
●コーンフレーク
[副菜]
じゃがいも・にんじん・スイートコーンは糖質の補給に効果的です。運動前は脂っぽくなく軽い食事がおすすめです。
●ポテトサラダ・マッシュポテト
●コーンサラダ
●おみそ汁・コーンスープ
●ゆでたまご
[その他]
食事後に時間が空いてしまいお腹がすくようであれば、ゼリー系の飲料やバナナなどのフルーツ、果汁100%のジュースや飴などでエネルギー補給すれば準備は万全です。
●バナナ
●はちみつ・シロップ
●ゼリー飲料
●果汁100%ジュース
●スポーツドリンク

ただし、カーボローディングの効果には個人差があります。試合の前にいきなりやろうとするのではなく、普段の練習の際に試して、体が大きくなって逆に動きにくくなっていないか、運動の後半までスタミナがもったかなど、自身の体の声を聞きながら取り組むようにしましょう。

  • 1) 笹川スポーツ財団. ジョギング・ランニング人口. 2018-8-10.
    https://www.ssf.or.jp/thinktank/sports_life/data/jogrun_9818.html, (accessed 2021-8-3).
  • 2) 国土交通省北海道開発局. サイクルツーリズムを取り巻く環境. 2017-2-24.
    https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/kn/dou_kei/splaat000000i6wl-att/splaat000000i6z2.pdf, (accessed 2021-8-3).
  • 3) 公益財団法人日本スポーツ協会. 公認スポーツ指導者養成テキスト・ワークブック共通科目III. 2005年初版, 2021年第20刷, p.38-39.

フィジカルトレーナー/スポーツ振興・指導講師

和田拓巳