おいしくて、カラダにもうれしい
独自の“小麦ブラン商品”を、家庭でも手軽に!

抗ウイルス・抗菌技術「Cufitec®」がニューノーマルな時代の“常識”となる!

小麦の表皮を日清製粉(株)独自の製法で微粉砕した
「SFブラン」(業務用商品)と「ナチュブラン」(家庭用商品)。
以前から小麦の表皮は発酵性食物繊維(アラビノキシラン)が豊富で注目の素材だったが、
2つの商品が発売に至るまでには、乗り越えるべきたくさんの壁があった。
では、どのようにそれらの壁を乗り越えて発売に至ったのだろうか。
日清製粉の木本さん、日清製粉ウェルナの福田さんに話を聞いた。

PROFILE

日清製粉株式会社

生産本部 品質管理グループ グループリーダー代理

木本 匡昭 (左)

2006年入社。工場の品質管理、品質保証業務を経て、年ごとに異なる原料小麦品質とそれに対応する製粉技術への理解を深め、小麦粉の品質管理と共に商品開発・設計にも携わる。2017年からは日清製粉(株)の工場を統括する生産本部で全国の小麦粉の品質管理を担いながら新商品開発も担当。2018年からのSFブランの開発においては、中心的役割を果たした。

株式会社日清製粉ウェルナ
プロダクトマネジメント統括部 第一部開発グループ 主任研究員

福田 真人 (右)

2006年入社。(株)日清製粉グループ本社 技術本部 生産技術研究所、同 R&D・品質保証本部 基礎研究所を経て、現在に至る。主にホットケーキ、お好み焼・たこ焼用などの家庭用プレミックス類の開発業務を担当。兼務として(株)日清製粉グループ本社(R&D・品質保証本部 基礎研究所健康機能研究室)にも籍を置き、SFブランを家庭用に機能性表示食品として発売するためのプロジェクトリーダー役を果たした。

食物繊維が豊富な小麦の表皮を使用した
機能性素材を商品ラインアップに追加

インタビュー画像

日清製粉グループは、小麦のさらなる可能性を追求し、小麦の表皮である“小麦ふすま”や小麦粒を丸ごと挽いた「全粒粉」等を使った健康機能性の研究をはじめ、消費者一人ひとりの健康に貢献する新たな商品・サービスの創出に注力している。そうしたなか、業務用小麦粉の製造・販売を行う日清製粉は近年ますます高まっている社会の健康意識に応えることを目指し、2018年から新たな小麦ブラン商品の開発をスタート。小麦の表皮“小麦ふすま”は、小麦の約15%を占め、食物繊維が豊富に含まれているが、商品化にあたっては独特のえぐみなどが壁となった。

実は、日清製粉は2017年にも小麦ふすまを粉末にした商品を開発したものの、こうした独特のえぐみが解消しきれず、発売には至らなかった過去がある。また発酵性食物繊維の一種であるアラビノキシランが多く含まれることはわかっていたが、成分の含有量を“規格化”できなかったことも大きな課題だった。このままでは業務用のお客様が機能性表示食品を目指してパンや麺などを開発する場合、お役に立てない。そこで、今回は原料から製法まで徹底的にこだわり、実際に試験製造しては検証するという根気のいる作業を繰り返した。さらに、日清製粉グループ本社の基礎研究所との連携によって、アラビノキシランが一定以上含まれる製造条件を確立し、規格化を実現した(特許取得)。これらの取組みの結果、100g中に小麦由来アラビノキシランを18.0g以上含有する「SFブラン」を完成させ、2020年から販売を開始した。
※ Super Fine

「アラビノキシランの規格化にあたってはさまざまな課題がありましたが、日清製粉グループ本社の研究所とも緊密に連携し、関係するチームが数多くの知恵と努力を惜しまず注ぎ込んだことで実現することができました。また開発過程で多くの改良に取り組んだことで、一般の小麦粉並みの粒度に仕上げる技術やノウハウが得られ、食感の大幅な向上にもつなげることができました」(木本さん)

グループが持つノウハウを融合し、家庭向けには機能性表示食品として商品化

家庭用小麦粉やパスタ等の製造販売を展開する日清製粉ウェルナは当初「SFブラン」を活用し、冷凍パスタ等の家庭用商品の開発を進めていた。その中で、この自社グループが小麦粒から生み出した新しい独自素材は“会社の財産”として売り出すべき、そのためには世の中の小麦ブランそのものの認知、健康機能への理解を獲得することが重要との考えに至った。そのミッションを担う看板商品として、「SFブラン」の中身はそのままに家庭用商品名「ナチュブラン」としても世に送り出すこととし、同時に「ナチュブラン」のロゴを付けた冷凍パスタ等の開発も進められた。

「『SFブラン』そのものを家庭用商品として販売したいと聞いた時は驚きましたが、同時に日清製粉グループらしいチャレンジだと感じました」(木本さん)

「通常、小麦ふすまは風味にかなり癖がありますが、『SFブラン』は癖がほとんどありません。それに粒子が小さくさらさらで食感もなめらか。また、発売に至らなかった2017年の商品より保存性も良く、魅力的な素材だった。そのため、家庭用商品として発売することの勝算は高いのではないかと感じていました」(福田さん)

家庭用ブランドは、より親しみやすさを感じてもらえるよう名称は「ナチュブラン」とし、その商品化にあたっては、家庭での使用量の想定に基づき、より品質保持に優れた包装資材を選定、設計するなど、家庭用商品として発売するための改良が加えられた。そして機能性表示食品として売り出すための安全性・機能性に関する科学的根拠などの届出を終え、2022年2月、家庭用商品の機能性表示食品「ナチュブラン」を発売した。「ナチュブラン」に含まれている小麦由来アラビノキシランは、善玉菌(酪酸菌)を増やすことで腸内環境を改善することや、食後の血糖値の上昇をゆるやかにすることが報告されている。

「機能性表示食品自体は、これまでにも難消化性デキストリンやイヌリン、アスタキサンチンなどの素材を用いたホットケーキミックス・パスタソース・冷凍食品などの開発実績があり、ノウハウがありました。そのノウハウを活かし、必要なデータを徹底的に取得し、想像以上にスムーズに商品化を進めることができました」(福田さん)

小麦ブラン商品や小麦由来食物繊維の
認知向上に向けたマーケティング施策

インタビュー画像

日清製粉グループでは、小麦の表皮を活用した「SFブラン」・「ナチュブラン」の開発にとどまらず、小麦粉自体に食物繊維が多く含まれる高食物繊維(こうしょくもつせんい)小麦粉や全粒粉も含め、小麦由来食物繊維の市場拡大に向けたコミュニケーション施策を実施しており、今後もさまざまな形で展開を検討している。
※ レジスタントスターチ

例えば、新しい素材である「ナチュブラン」は、基本的な使い方としてパンやクッキーなどのレシピを日清製粉ウェルナのWebサイトで紹介している(詳細はこちら)ほか、SNSインフルエンサーやモニターにアレンジレシピを投稿してもらうなどして、裾野を広げているところだ。また、全粒粉は人気料理ブロガーによるオンラインイベントを開催しているほか、アンバサダーを募ってブログやInstagramにレシピを投稿してもらう取組みも進めてきている。

加えて、管理栄養士など栄養の現場に携わる方々を対象に、穀物由来食物繊維の機能性に関するシンポジウムも開催し、小麦全粒粉等の全粒穀物に含まれる栄養素や最新の学術研究で得られた機能性のエビデンス等を伝える活動も推進(詳細はこちら)。業務用のお客様にも案内し、栄養学・食物繊維分野の“信頼度の高い情報”を届けることで、健康的な食生活への貢献をめざしている。

「『ナチュブラン』の発売から約1年が経過しましたが、小麦ブランの機能性自体と商品、いずれの認知度についてもまだまだ伸びしろがあると感じています。今後、多くの方々に『ナチュブラン』のことを知っていただくと同時に、使いやすいレシピの紹介などと併せ、おいしくて健康に良い商品を通じてお客様に貢献していきたいと考えています」(福田さん)

「当社は2年以上の歳月をかけ、一般的な小麦粉の約5~10倍の食物繊維を含む日本初となる高食物繊維小麦粉『アミュリア』を開発しました(2023年2月24日ニュースリリース)。今後生産量の拡大と共に順次市場に導入していく予定です。食物繊維を上手に摂取いただける商品として『SFブラン』や『アミュリア』を育てていくことで、その価値をよりアピールできると思います。これらの商品たちが"食物繊維素材市場"に新たな風を生み、将来的に日清製粉グループの中心的な商品群の一つになったら大変面白いと感じています」(木本さん)

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