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2023.07.07 Fri

その体調不良は気圧のせい?低気圧不調の基礎知識

雨の日に頭痛やだるさを感じたり、台風が近づくと肩こりがひどくなったりすることはありませんか?もしかしたら、それは低気圧不調かもしれません。「いつものことだから仕方ない」とあきらめていた痛みや不調の原因がわかれば、予防や対処がしやすくなります。そこで今回は、体と気圧の関係についてご紹介します。

雨の日に頭痛やだるさを感じたり、台風が近づくと肩こりがひどくなったりすることはありませんか?もしかしたら、それは低気圧不調かもしれません。「いつものことだから仕方ない」とあきらめていた痛みや不調の原因がわかれば、予防や対処がしやすくなります。そこで今回は、体と気圧の関係についてご紹介します。

低気圧不調ってどんなもの?

低気圧不調とは、「気圧の変化」の影響によってあらわれるさまざまな症状を指します。低気圧不調という名前ですが、低気圧が不調の直接の原因ではなく、天気の崩れに伴う気圧の変化に、体が反応してしまうことが原因です。天気の崩れの大小に関わらず、小雨でもゲリラ豪雨のような大雨でも、あるいは台風でも、気圧の変化が起きれば症状が出てしまうというわけです。症状で最も多いのは頭痛。そのほか、めまい、耳鳴り、だるさ、肩・首のこり、集中力の低下や気分の落ち込み、食欲不振、下痢など、人それぞれに多種多様な不調があらわれます。

※これらの症状が長く続く場合や、症状が重い場合は、原因が他にある可能性が考えられるため、医療機関への受診をお勧めします。

低気圧不調のメカニズムについては解明されていない部分もありますが、近年の研究で注目されているのが、耳の奥にある内耳と自律神経の関係です。内耳は気圧を感じるセンサーのような役割をしていて、気圧の変化をキャッチすると、それを脳に伝え自律神経の乱れを生じさせるのです。自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、特に気圧の変化の影響を受けるのは交感神経です。交感神経には、気圧や気温など環境の変化に合わせて体を興奮させ、体温を調整するという働きがあります。気圧の変化を感じると交感神経が優位になり過ぎ、自律神経のバランスが崩れ、頭痛をはじめとした、さまざまな不調が起こると考えられています。

低気圧不調かどうかをチェック!

雨の日になるとやってくる頭痛やめまい、気分の落ち込み…。あなたを悩ませている不調が、気圧の変化によるものかどうか、次のチェックリストで確認してみましょう。

低気圧不調 チェックリスト
当てはまるものにチェックを入れましょう。チェックの数が多いほど、低気圧不調になる可能性が高まります。

2、3日前から天気が崩れるのがわかる

頭痛持ちである

首や肩がよくこる

立ちくらみやめまいを起こしやすい

以前けがをしたところが時々痛くなる

乗り物酔いをしやすい

飛行機や新幹線が苦手

高いところが苦手

耳抜きが苦手

中耳炎にかかったことがある

更年期障害の症状がある

気持ちが落ち込み、やる気が出ない

低気圧不調は、小さな子どもからシニア層まで、年代に関係なく起こります。若いときにつらかった症状が年齢とともに軽くなるケースもあれば、持病の影響などから年齢とともに症状が強まるケースもあり、個人差が大きいといえるでしょう。

低気圧不調が起きたらどうすればいい?

天気をコントロールすることはできませんが、不調の原因が天気にあるとわかれば対策は可能です。手軽にできるセルフケアとしておすすめなのが、耳のマッサージ。マッサージで内耳の血流を促すことで不調の改善が期待できます。耳をくるくる回すだけ、時間も1~2分程度ですので、ぜひ試してみてください。

くるくる耳マッサージ

頭痛や耳鳴りなどの症状が起きたときの対処法としてはもちろん、天気の崩れとともに不調が起こりそうなときの予防にも有効。1日3回程度を目安に習慣化しましょう。

自律神経を整えるライフスタイルを

気圧の変化に左右されない体をつくるためには、自律神経を整える生活を日頃から意識することも大切です。いくつか具体的な方法をご紹介しましょう。

●朝起きたら日光を浴びる朝起きたら、カーテンを開けて日光を浴びる習慣をつけましょう。目から光の刺激を入れることで、体内で自律神経を整える働きがある「セロトニン」の分泌が促されます。また、日光を浴びると体内時計がリセットされ、自律神経の働きが安定しやすくなります。

●バランスのとれた食事日々の食事から摂る栄養は自律神経のバランスにも大きく関わってきます。積極的に摂りたいのは、ビタミン類やミネラル。特に、代謝促進や脳、神経を正常に保つ働きがあるビタミンB6、体の機能を安定させるとともにストレス軽減にも役立つマグネシウム、亜鉛は、普段の食事で不足しがちな栄養素でもあります。食事だけで摂ることが難しい場合は、サプリメントなどを有効活用してもよいでしょう。

おすすめ食材
ビタミンB6:カツオ、マグロ、サケ など
マグネシウム:ひじき、ほうれん草 など
亜鉛:カキ、レバー など

●毎日湯船につかる「忙しいから」「面倒だから」とシャワーで済ませず、ゆっくりと湯船につかりましょう。ポイントは、少しぬるめのお湯に入ること。38~40℃程度のお湯につかることで、心身をリラックスさせる副交感神経が優位になり、質の良い睡眠にもつながります。

●首回りが固まらないよう姿勢に注意首から耳にかけての筋肉がガチガチに固まると自律神経が乱れ、首や肩の血流が悪くなることで内耳の血行も滞ります。パソコンに向かうとき、スマホを見るときなど、前かがみになり過ぎないように注意しましょう。

悩ましい不調の原因が天気にあると気づくことが、低気圧不調を克服する第一歩。セルフケアや生活習慣の見直しなど、できることから取り入れて、気圧の変化に負けない体をつくっていきましょう。

<監修>

佐藤純

天気痛ドクター・医学博士/日本慢性疼痛学会認定専門医/日本医師会認定産業医/中部大学生命健康科学研究科教授/愛知医科大学客員教授