日清製粉グループ

人間力

episode 1

一人一業

貞一郎が良く語っていた「一人一業」という言葉がある。本人は「どこまでも日清製粉一本槍」と言ってもいたので、製粉事業だけに集中し事業に成功したと理解されている。しかし「一人一業」と言いながら、実際には日清製粉がトップであり続けるために、その時必要であると判断した事業には新しい会社を幾つも興し、多角化経営により製粉事業全体を強固のものに育てた。
実際に実行していることが製粉事業にとどまらないところに、経営者としての面白さ・魅力が見える。

オリエンタル酵母工業(1929年)主に製パン用イースト菌製造
オリエンタル酵母工業(株)提供

日本篩絹(1934年:現在のNBCメッシュテック)
(株)NBCメッシュテック提供

日本栄養食料(1934年:現在の日本農産工業)
配合飼料、大豆タンパク、ビタミン製造
日本農産工業(株)提供

episode 2

80歳で一世一代の和歌をつくる

八十の春をむかえて
すこやかに杖もたのまず
人もたよらず

米寿寿像除幕式当日の夫妻(1957年)

80歳で初めて作った和歌を、専門家に見てもらい直してもらったが、自分の作品を良しとしたところに、貞一郎の人柄、面白みが表れている。

数え年80才となった貞一郎は、その時初めて自分の作った和歌、「八十の春をむかえてすこやかに杖もたのまず人もたよらず」を披露した。
「和歌をつくるということは、後にも先にもただ一回であります。この和歌を専門家に見せたところ、少し強すぎるからと『八十の春をむかえてすこやかに杖もたのまぬことをよろこぶ』に直して下さいました。知人にそのことをお話したところ、元の方がピンとくると言っておられました」と貞一郎が語り、自分で作った和歌を披露したところに、人としての面白さがある。
また、孫たちが米寿の誕生お祝いに贈った「いろはかるた」が貞一郎の人柄を表している。

米寿に孫一同が夫々色紙に書いたものを屏風にして贈った祝品

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