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Column男の探求コラム

ご飯までこだわるオトコのための、究極! 土鍋炊き道場

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試行錯誤の末辿り着いた、常識を覆す土鍋ご飯

 恵比寿にある日本料理店『和の食 いがらし』。コース仕立ての料理の最後は土鍋で炊いた白飯か炊き込みご飯が登場する、ご飯にとことんこだわった店だ。
 店主の五十嵐氏は、お米の選定から精米の仕方、お米を炊く水、浸水の時間、炊き方まですべてに試行錯誤を重ねて、現在の土鍋ご飯の炊き方を独自に編み出した。
 米は新潟県岩船で作られる減農薬のコシヒカリを使用。精米は1905年に創業した100年以上続く米屋『隅田屋』。米に熱を加えないよう7回に分けて精米する古式精米製法を採用した。炊飯に使う水は岐阜にある老舗の酒蔵『中島醸造』の酒「小左衛門」の柔らかな口当たりの仕込み水を使用。2時間以上浸水させた後に土鍋を使い強火で一気に炊き上げる。
「お米の炊き方の一般的な基本は、最初強火で沸騰したら中火、弱火にしていくというものですが、うちは強火で吹きこぼしながら短時間で仕上げます。そうすることで、米が持つ味わいが外に出てしまうことなく凝縮されます。一粒一粒に弾力があるので、噛むごとに甘みが増していきます」と五十嵐氏。
 米を美味しく食べたいという思いの末辿り着いたのが、土鍋ご飯の炊き方の基本を覆す、高温で炊き上げるという技術。見えない土鍋の中で何が起こっているのか、感覚を研ぎ澄ませて米に向き合う必要がある。そうして炊き上がったご飯は、外側は弾力がありながら、中はしっとりと柔らかく、甘い香りが際立った色気すら感じるほどの味わいだ。

まずは覚えておきたい、飯炊き三原則

原則1 炊飯するための水は冷えた水を使うべし!

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米を炊く時に沸騰させるまでの温度差があればあるほど、お米の甘みが増す。冷えた水、または氷水を使用して米を炊こう

原則2 米にたっぷりと水を吸わせる

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高温で炊き上げるため、2時間以上浸水させている。浸水の際も菌の繁殖を防ぐため冷たい水を使用するのもポイント。

原則3 最初から最後まで強火で一気に炊き上げる

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米の旨味を凝縮させて、弾力のある口当たりの仕上がりにするため、強火で短時間で炊き上げるのが五十嵐流。

いざ、究極の炊き方を公開!

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米をボウルの中で洗う。洗い方は、やさしくかき混ぜる程度。

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保存容器に米を入れて、水を注ぐ。

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浸水する時は冷たい水を使用。冷蔵庫に入れて保管してもいい。浸水は2時間以上。

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浸水させた米を土鍋に入れて、冷えた水を入れる。水の量は米1に対して水2の割合。

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強火で一気に炊き上げる。

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沸騰してからも火力は落とさずに吹きこぼす。この火力で炊飯時間は10分ほど。

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10分ほど経ち、鍋の中の水分がなくなってきたなと思ったら一度蓋を開けて確認してみるといい。泡ではなく、米粒が見えてきたら火を止める。

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火を止めたら、炊飯時間と同様の10 分程度蒸らしの時間をおいできあがり。

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教えてくれたのはこの人!


『和の食 いがらし』
店主 五十嵐明良さん

1976年生まれ。辻調理師専門学校卒業。西麻布『つくし』で13年間修行の後、独立。32歳の頃に『和の食 いがらし』をオープンした。

DATA
住所/東京都渋谷区恵比寿4-9-15 HAGIWARA Bld.5 2階
TEL/03-3447-9893
営業/ 18:00~22:00
休み/日曜

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