日清製粉グループ

あ、小麦粉の値段が上がってる…今ごろなぜかしら?

小麦&小麦粉 知っ得!ノート

小麦・小麦粉の値上がりのしくみについて詳しく解説します

みなさんが食べているパン、スパゲティなどの麺、クッキーやケーキなどの菓子は、小麦粉で作られています。いろいろな食べ物に使われている小麦粉は、私たちの主要食糧です。

日清製製粉グループの日清製粉は業務用小麦粉の一部を、6月に値上げすることを発表しました。

日清製粉はなぜ値上げすることにしたのでしょうか? また、なぜこの時期に値上げすることになったのでしょうか? その理由は、小麦が小麦粉に、小麦粉が小麦粉を使用した製品になって、みなさんの食卓に届くまでのしくみにあります。そのしくみを見てみましょう! 

小麦と小麦粉に関する基礎知識① バリューチェーン

日本で消費されている小麦粉の約9割は輸入小麦から作られたものです。それら輸入小麦は日本政府によって買い付けされ、国内の製粉会社に売り渡されます。製粉会社に売り渡された小麦は小麦粉に加工され、主にパン・麺・菓子などの小麦粉を使用した製品を製造する食品メーカーに卸されます。そして、それらの食品メーカーで製造された製品はスーパーなどの小売業者を通じて、みなさんの食卓に届けられるのです。

小麦と小麦粉に関する基礎知識② 製粉会社と食品メーカー

小麦はとても固い殻に被われていて、そのままでは食べることができません。その小麦を小麦粉に加工する役割を製粉会社が担っており、日清製粉では、品質管理やトレーサビリティの徹底により、安全で安心な小麦粉の製造に取り組んでいます。また、その小麦粉をパン・麺・菓子に加工する食品メーカーもみなさんの食生活に欠かせない存在であり、日清フーズは、そうした食品メーカーのひとつとして、パスタをはじめ、から揚げ粉や天ぷら粉、お好み焼粉やホットケーキミックスなどみなさんの食卓を彩る製品を開発・製造しています。

小麦と小麦粉に関する基礎知識③ 価格に影響を与える要因とは?

私たちの食生活に大きく関わっている輸入小麦とそれを加工した小麦粉及び小麦粉を使用した製品の価格はどのように決められているのでしょうか。輸入小麦を買い付ける日本政府が製粉会社に売り渡す小麦の価格を決めていますが、常に一定の価格というわけではありません。

2007年4月より、輸入小麦の売渡価格については、年間を通じて固定的な価格で売り渡される標準売渡価格制度が廃止され、新たに、小麦の国際相場等の動向を輸入小麦や小麦粉及び小麦粉を使用した製品の国内価格に適切かつ迅速に反映されること等を目的として相場連動制が導入されました。この制度は、過去の一定期間における政府買入価格の平均値に年間固定のマークアップ(売買差益)を加える仕組みとなっており、1年間固定であった小麦の売渡価格が、年2回改定されるとともに、小麦の国際相場や為替相場等の影響が自動的に小麦の売渡価格に反映されるようになりました。

最近では2017年10月期の輸入小麦の政府売渡価格が、主要5銘柄平均で3.6%の引上げ、ハード系小麦平均で1.7%の引上げ、ソフト系小麦平均で8.2%の引上げが発表されました。米国と豪州の降水量不足により減収が懸念されること、輸送需要の増加により海上運賃が上昇していること、為替が円安で推移したことから、上記の改定となりました。

輸入小麦の政府売渡価格の改定について(平成29年9月6日付 農林水産省ホームページより)

これを受けて日清製粉でも業務用小麦粉の価格改定を行うことにしました。
このように同じ小麦であっても用途や産地の状況によって需給状況や価格が大きく変動することがあり、それによりみなさんが購入する小麦粉や小麦粉を使用した製品の価格も変わることがあるのです。

なるほど! 小麦の価格にはいろいろな要素が反映されているのね。

小麦と小麦粉に関する基礎知識④ 価格が変わるタイミングはいつ?

価格改定に際しては対象となる算定期間の小麦の国際相場や海上運賃等を踏まえて、政府が改定額を決定しています。また、小麦は主要食糧であることから、国家貿易制度のもとで、主要生産国における不作などの不測の事態に備え、製粉会社は2.3ヶ月分の小麦を備蓄することになっています。そのため、小麦の政府売渡価格が変わったからといって、小麦粉の価格が同じタイミングで変わるわけではないのです。

売渡価格の反映にはずれがある 製粉会社は小麦を備蓄しているため、政府売渡価格が反映されるまでに、約2ヶ月のタイムラグが発生してしまう。

私たちが食べる小麦粉や小麦粉を使用した製品の価格には、小麦の国際相場や国が決めた小麦の売渡価格がすぐに反映されるわけではなさそうね。

それに小麦が備蓄される期間を考えると、ずいぶん後になって小麦粉や小麦粉を使用した製品の価格に影響が出てくるね。

主食 日本人一人当たりが1年間に小麦粉を消費する量は33kg

お米の消費量は1年間に約55kgです。小麦粉の33kgは、うどんだけを食べたとすると約450杯分です。小麦粉はお米と並んで日本人の主食なのです。

パンもうどんも、スパゲティも小麦粉でできているものね!

主食
一人当たりの年間小麦粉消費量 33.0kg
一人当たりの年間米消費量 54.6kg

出典:農林水産省「平成27年度 食料需給表」

・うどん約450杯分
中力粉100に対して食塩3、水35を足して作ったうどんの1食
(生めんで約100g)当たりの小麦粉使用量で試算。

世界一① 世界で最も小麦を消費している国は中国

世界最大の小麦消費国は中国で約11,200万トンです。2位はインドで約8,860万トン、3位はロシア連邦で約3,700万トンです。ちなみに日本は約660万トンです。小麦は世界の主要穀物のひとつです。

小麦消費国ランキング

世界の小麦消費量(2015/16年)
1位 中華人民共和国 112,000,000トン(※1)
2位 インド 88,641,000トン(※1)
3位 ロシア連邦 37,000,000トン(※1)
  日本(平成26年度) 6,579,000トン(※2)

出典:(※1)米国農務省「Grain:World Markets and Trade」
(※2)農林水産省「平成26年度 食料需給表」

世界一② 世界で一番多く小麦を生産している国は中国

世界最大の小麦生産国は中国で約13,000万トンです。2位はインドで約8,650万トン、3位はロシア連邦で約6,100万トンです。小麦の消費量と同じ順位です。日本は約100万トンです。

小麦生産国ランキング

世界の小麦生産量(2015/16年)
1位 中華人民共和国 130,190,000トン(※1)
2位 インド 86,530,000トン(※1)
3位 ロシア連邦 61,044,000トン(※1)
  日本 996,000トン(※2)

出典:(※1)米国農務省「Grain:World Markets and Trade」
(※2)農林水産省「平成27年度 麦の需給に関する見通し」

47% 日本が一番多く小麦を輸入している国はアメリカ

日本が最も小麦を輸入している国はアメリカで、輸入量の約47%がアメリカです。2番目はカナダで輸入量の約35%、3番目がオーストラリアで約17%です。日本で食べている小麦粉は約9割が海外から輸入した小麦で作られています。日本は世界上位5カ国に入る小麦輸入国です。

日本は海外からたくさんの小麦を買ってるよ!

相手先国別の食糧用小麦輸入量
1位 アメリカ合衆国 2,327,000トン
2位 カナダ 1,747,000トン
3位 オーストラリア 848,000トン
  その他 7,000トン
  合計 4,929,000トン

輸入小麦と国産小麦の割合
輸入 86.37% 国産 13.63%

出典:農林水産省「平成29年度 麦の需給に関する見通し」
(平成28年産国内生産量、平成27年度小麦輸入量参照)

大型船 輸入される小麦は日本政府が買付け

日本に輸入される小麦の大部分は国が輸入しています。外国から日本までは2万~6万トン級の大型船で運ばれ、海を渡って小麦がやって来ます。

へー、小麦は日本の政府がまとめて輸入しているのね

日本で使用される主要な小麦である以下の5銘柄は、国がまとめて輸入し、日本に着いた後に製粉会社に売り渡されます。

麦の銘柄
アメリカ ウェスタン・ホワイト
ハード・レッド・ウィンター
(ダーク)ノーザン・スプリング
カナダ ウェスタン・レッド・スプリング
オーストラリア スタンダード・ホワイト

穀物相場 輸入小麦の価格にはシカゴ相場が影響する

シカゴ相場とは、アメリカで最も取引量の多い商品取引所で形成される農産物の取引価格のことで、穀物では特にとうもろこし、大豆、小麦が国際的な指標になっています。

 

2.3ヶ月間 輸入された小麦は一定期間保管される

輸入された小麦はどれくらいで小麦粉になるのでしょうか。小麦は主要食糧であることから、国家貿易制度のもとで、製粉会社が2.3ヶ月間の小麦を在庫することが決まっています。輸入された小麦がすぐに加工されて小麦粉になるわけではありません。

小麦は日本の主要な食糧だから製粉会社がいざというときのために備蓄しているんだ。

小麦は米と並ぶ国民の主要食糧であるので、食糧安定のために2.3ヶ月分の小麦を備蓄しています。2010年9月までは国が1.8ヶ月分、製粉会社等の民間が0.5ヶ月分の備蓄をしていましたが、2010年10月より民間備蓄に一本化されたので、製粉会社は2.3ヶ月分の小麦を備蓄しています。

算定期間 政府が輸入小麦の価格を決めるしくみ

日本ではほとんどの小麦を国が輸入して製粉会社に売っていますが、その価格は過去に国が買付けした価格の平均で決まることになっています。

日本で主に使われる小麦(主要5銘柄)については、国が輸入し製粉会社に売り渡しますが、価格は半年に1回しか変わりません。過去6ヶ月間に国が購入した価格の平均に、売買差益であるマークアップを上乗せした金額で、製粉会社へ販売される小麦の価格が決まります。

年2回 輸入小麦の価格の見直しは1年に2回だけ

日本では輸入小麦の政府売渡価格は4月、10月の年2回改定されます。4月と10月は製粉会社に売り渡される価格が変わりますが、製粉会社には2.3ヶ月分の小麦の在庫があるので、小麦粉の価格が変わるのはもう少し先になります。

2007年4月より政府が輸入する輸入小麦主要5銘柄については、年間を通じて固定的な価格で売却する標準売渡価格制度が廃止され、過去の一定期間における政府買入価格の平均値に売買差益であるマークアップを加えた価格で売却する相場連動性が導入されました。その結果、輸入小麦の売渡価格は年2回改定されることになりました。
現在では、4月と10月の2回改定となっており、改定月の1ヶ月前から6ヶ月遡った平均で改定されています。

※4月改定の場合、前年9月中旬~当年3月上旬の6ヶ月が算定期間。
※10月改定の場合、当年3月中旬~同年9月上旬の6ヶ月が算定期間。

為替 円高や円安は他の輸入品同様、輸入小麦にも影響します

小麦は輸入品なので、仮に小麦の相場が同じ価格だとすると、円高になれば輸入価格は安くなりますし、円安になれば輸入価格は高くなります。

ほとんどが輸入だから円高や円安になると価格に影響するのね…

日本の輸入小麦の売渡価格は、過去の買入れ価格の平均をもとに決定されますので、例えば4月~6月に円安になり輸入価格が高くなったとすると、この影響は次の10月の政府売渡価格の改定時に反映されることとなります。