食のプロが選んだ旬の食材ベストテン発表
冬は大根、春は筍がNo.1

 株式会社日清製粉グループ本社(社長 正田 修)では、「食のプロに聞いた 日本の旬」アンケートを実施した結果、旬の食材のベスト1として、冬は“大根”、春は“筍”が選ばれました。このアンケートでは、食関係の仕事(*)に従事する“食のプロ”339名(有効回答)が回答、このほど、これから旬を迎える冬と春の食材ベストテンの集計結果をまとめました。
*調査概要参照

 冬の食材のベストスリーに選ばれたのは、1位 大根、2位 カキ、3位 白菜という結果になりました。第1位の大根は、カキやブリなどとは違って一般的にメニューの主役になりにくい地味な存在ですが、寒ブリやおでんの具材などと一緒に煮込むと、旨味が染み込んだ熱々の大根に冬のおいしさが凝縮されることから、多くの食のプロに冬の食材の王者として選ばれたようです。また、4位以下にはブリ、蟹、フグ、タラなどが続き、日本の冬の代表メニューである鍋料理に使われる食材が上位を占めています。

 一方、春のランキングの特徴としては、“春野菜”といわれるように、1位の筍をはじめ、2位 菜の花、3位 山菜、以下ふきのとう、グリーンアスパラ、よもぎなどの“山の幸”が上位を占め、“海の幸”が多くランクインした冬とは対照的な結果となっています。

昨今、食品加工、冷凍技術、流通の進歩や食材の国際化など、私たちの食を取り巻く環境が大きく変ってきています。よって、季節を問わずほとんどの食材がスーパーなどで簡単に手に入れることが可能となり、「旬の食材」という意識が薄れつつあります。アンケート内でも7割以上の方々が「旬そのものが希薄になりつつある」と回答されています。このような現状をふまえ当社では“旬”と“食”を再認識すべく、アンケートを実施した次第です。
「食のプロに聞いた 日本の旬」アンケート概要
回答者属性
調査期間 :2001年8月20日〜8月31日
調査方法 :アンケート用紙を郵送
応募総数 :339名
有効回答数 :339(男性108名/女性231名)
回答者職業
料理研究家 98名
料理研究主宰 29名
経営コンサルタント(飲食店など) 40名
フードコンサルト 31名
料理担当編集者、ジャーナリスト 56名
フードカメラマン・写真家 34名
栄養士 18名
その他 33名
●旬の食材の王者 冬は“大根“、春は“筍“
■質問: 日本の「旬」の食材と言えば、あなたは何をあげますか?
各季節ごとに、ひとつ、ご記入願います。
*実際のアンケートでは、各季節の食材をご回答いただきましたが、本リリースでは、冬と春の結果だけをご紹介いたします。
冬の食材ベストテン
順位 食材名 回答数
1位 大根 78
2位 カキ 48
3位 白菜 39
4位 ブリ 33
4位 33
6位 フグ 32
7位 タラ 14
8位 アンコウ 11
9位 10
10位 みかん 7
《概要》
冬を代表する食材ベストスリーには、1位に大根、2位にカキ、3位に白菜が選ばれ、4位以下はブリ、蟹、フグ、タラ、アンコウと海の幸がランクインしています。大根は、一般的にメニューの主役にあまりならない食材ですが、ブリやおでんの具材と一緒に煮込むと、そのエキスを吸って、旨味が染み込んだ大根に冬のおいしさが凝縮されることから、冬を代表する食材として多くの食のプロに支持されたようです。
 また、冬の食材を使ったお勧め料理を訊ねたところ、1位の大根は「ブリ大根」、「干し貝柱と大根の煮物」など和食メニューの他、「大根とフォアグラのサラダ」といった洋風メニューもあげられています。
春の食材ベストテン
順位 食材名 回答数
1位 207
2位 菜の花 27
3位 山菜 21
4位 ふきのとう 16
5位 グリーンアスパラ 13
6位 10
7位 9
8位 いちご 7
9位 よもぎ 6
9位 6
9位 新キャベツ 6
《概要》
春の旬の食材ベストスリーには、1位筍、2位菜の花、3位山菜が選ばれ、4位以下にはふきのとう、グリーンアスパラ、鯛、カツオ、いちごなどがランクインしています。
 春のランキングの特徴は、全回答者の6割以上が筍を選んでいる点と、1位から5位まで山の幸が独占したことです。寒い冬は大根や海の幸がたっぷり入った鍋料理や煮込み料理を食べて暖まり、春になったら薄茶色のたけのこ・黄色い菜の花・緑のアスパラやよもぎなど見た目にも彩りがきれいな山の幸を食べるのが、食のプロが勧める“旬の味わい方”と言えそうです。
 また、春の旬の食材を使ったお勧めのメニューを訊ねたところ、「若竹煮」、「筍の木の芽和え」、「筍と木の芽のピザ」、「菜の花と筍のパスタ」などバラエティ豊かな筍メニューの他、「戻りガツオの瞬間スモーク」、「桜鯛のカルパッチョ風サラダ」、「グリーンアスパラの蟹あんかけ」などがあげられています。《回答者のコメント》 冬の食材に大根を、春の食材に筍を選んだ理由。

●料理研究家 山本道子(東京都)
冬の大根は甘みがあって美味しく、和風・洋風・中華・アジア風と味付けによっていろんなメニューができるから選んだ。根菜はその土地の土と交流しているから、場所によって味が違う。例えば日本の大根は日本の土壌を反映しており、外国産と比べて見ても、みずみずしく甘くて美味しいと思う。お勧めの大根料理は、さけやぶりなど魚のあらと煮込んだもの。大根を魚から出る出汁でじっくり煮込むと美味しくなる。
 春の筍は、ある季節になると自然とたくさん出回るから旬の食材としてのイメージが強い。和風だけでなく、アーティチョークにも食感が似ているから洋風のアレンジもできる。

●フードコーディネーター 櫻木千春(福岡県)
筍は「たけのこご飯」や「木の芽和え」など主菜・副菜とどちらにも使える食材で、春の筍は特に水分が多く、香り・食感共に良いから選んだ。

●食・農コーディネーター 橋本満子(福島県)
自分が住んでいる福島の白河市では、春になると親子で筍狩りに行く姿をよく見掛けるので、春の訪れを一番感じる食材として選んだ。春は筍狩り、秋はきのこ狩りに出かける友人から新鮮な筍やきのこをもらうこともあり、まわりには旬の食材を楽しむ人がたくさんいる。