リスクマネジメント

私たちの基本姿勢

当社グループでは、「日清製粉グループリスクマネジメント規程」「日清製粉グループクライシスコントロール規程」を制定し、リスクに対する適切な対応を確保し、リスクの予防・制御を目的とした日常的なリスクマネジメント活動を強化しています。

事業等のリスク

当社グループの経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。(第177期有価証券報告書より)

主なリスク

  1. 国際貿易交渉の進展と麦政策の変更
  2. 製品安全
  3. 災害・事故・感染症
  4. 他社とのアライアンス及び企業買収の効果の実現
  5. 原材料調達
  6. 情報セキュリティ・DX(デジタルトランスフォーメーション)
  7. 環境課題
  8. 海外事業
  9. 為替変動
  10. 人材の確保等
  11. 新技術への対応

これに加えて、「リスクマネジメント規程」の中でさらに、ESG(環境・社会・ガバナンス)リスクとしての環境リスク、社会リスク、役員従業員リスク、法務リスク等を定めています。

リスクマネジメント体制

委員会の設置

(株)日清製粉グループ本社取締役社長を委員長、各事業会社社長及びグループ本社の各本部を所管する執行役員等を委員とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、グループ全体のリスクマネジメントを統括するとともに、同委員会での活動内容はグループ運営会議に報告しています。さらに同委員会の下部組織として企画部会(リスク洗い出し、対策の有効性レビュー等)、災害部会(自然災害、事故等の対策)、海外安全対策部会(海外事業に携わる社員等の安全確保対策)を設置し、課題毎の具体策を検討・提言する体制を整備しています。

コールセンターの設置

クライシスが発生した際は、(株)日清製粉グループ本社に設置されたコールセンターに通報することが当社グループ社員には周知され、義務付けられています。その情報は迅速に経営トップに報告され、適切な初動対応により損害を最小限に抑える仕組みとなっています。

海外事業におけるリスクマネジメント

当社グループでは、企業行動規範の1つに「現地に根ざした海外事業の推進」を掲げています。海外事業開始にあたっては、現地の弁護士等の専門家のアドバイスに基づき、各国の法令やルールを遵守するよう十分な配慮を行っているほか、新規事業開始時におけるリスクを未然に防ぐため、独自のリスク管理チェックリストを作成・運用しています。このチェックリストを用いて、事業の許認可や、法定最低賃金の遵守等の労働条件、環境、安全衛生、納税等について、現地法人の代表者自らが現地における各種ルールを遵守していることを確認するよう義務付けています。このような海外事業におけるリスクを低減するため、グループ横断のリスクマネジメント委員会の下部組織である海外安全対策部会や外部専門家等を通じて、現地経営環境を踏まえた事業運営の適切な管理・サポート等を実施するとともに、現地に派遣する従業員の研修体制を整備しています。

BCP(事業継続計画)

小麦粉をはじめとする安全・安心な「食」の安定供給を確保するために、BCP(事業継続計画)による災害や感染症等への備えの拡充にも努めています。

食品は人間の生命の維持に欠くことができないものであるだけでなく、健康で充実した生活の基礎として重要なものです。万一の災害発生時に人的被害・工場等の設備破損が生じても、消費者の皆様の生活への影響を最小限にとどめるように、管理体制の確立、設備の改修、従業員の健康管理等、食品供給を確保する対策を実施しています。

BCPの策定

大規模地震発生時や新型ウイルスによる感染症等の流行時には事業運営に相当な影響を受けるものと予想されることから、食品供給等の社会の基盤を維持するという当社グループの社会的責任を果たすため、BCP(事業継続計画)を策定しています。

また、毎年BCP強化月間を設け、BCPの内容に沿って迅速に行動できるよう関係者による取組みを実施し、BCPに関する模擬訓練を計画・実施しています。

大規模地震等への対策

1995年の阪神淡路大震災では、日清製粉(株)でも、東灘、神戸の2工場(神戸工場は現在、閉鎖)が被災しました。液状化現象による護岸崩壊や、サイロ基礎杭の破断、地震の揺れによるアンローダ(吸引式荷揚げ装置)の倒壊等、大きな被害を受けました。

この教訓を生かし、日本最大の製粉工場である鶴見工場(製粉能力2,150トン/日)では、液状化対策や免震装置を導入しています。また、東日本大震災以降に稼働した福岡工場や知多工場の立体自動倉庫には、揺れを抑えて荷崩れを防ぐ制振機能を備えるなど、大地震が発生した場合でも、その被害を最小限にとどめ、小麦粉を安定供給できる体制を整えています。

対策事例

事例1:穀物用アンローダに免震装置を導入

鶴見工場は専用のふ頭を持ち、穀物船から小麦を荷揚げするアンローダを保有しています。世界で初めて穀物用アンローダの脚部に免震装置を設置しました。

アンローダで年間約60万トンの小麦を輸送船から荷揚げしサイロに保管している。
免震装置
事例2:地盤液状化への対策を実施

直下型地震が発生した場合、地盤の液状化現象によってサイロの倒壊や小麦輸送船が接岸する岸壁の崩壊等、被害拡大の危険性があります。岸壁の耐震補強とともに、岸壁周囲を地盤改良工法により、液状化現象を防ぐ対策を実施しました。

事例3:衛星電話の配備

大地震発生直後の被災地への連絡は、電話回線の混雑や断線等のため、一般の固定電話や携帯電話ではつながりにくい状況が想定されます。被災初期の本社・事業場間の連絡を確実に行うため、衛星電話を配備しています。

非常食・防災用品セット
事例4:非常食・防災用品セットの備蓄と個人配布

災害発生時用の非常食を各拠点に備蓄すると同時に、従業員に直接非常食・防災用品セットを配布し、各自が保管・管理を行う体制としています。防災に対する意識を高めるとともに、被災時の配付作業を軽減しています。

 

その他のリスクに対する取組み

情報セキュリティの強化

当社グループは、情報資産のセキュリティを確保するため、「情報セキュリティ基本規程」を制定しており、これに基づく管理体制のもと、積極的に情報セキュリティ活動に取り組んでいます。情報セキュリティレベルの維持・向上のため、社員を対象とした注意喚起や教育及び訓練を随時実施しています。また、年々複雑化・巧妙化するサイバー攻撃に対応するため、グループ全体での情報セキュリティ強化に、継続的に取り組んでいます。

知的財産の保護と活用

当社グループは、事業と研究開発を知的財産の側面から強化し、一体となった活動を推進しています。活動のなかで生まれた発明を、迅速に権利化するとともに、事業に資する知的財産の戦略的な活用を目指しています。また、特許、商標、意匠それぞれについて、他者の権利を侵害しないよう尊重するとともに、当社グループの権利に対する侵害行為が疑われた場合には、その都度調査し、法令に基づいて適切に対応しています。知的財産権の出願による攻めと、権利侵害回避という守りの両面から活動を推進しています。

グローバル体制におけるガバナンス強化

2014年度より、全グループの海外子会社の代表者を集めたグローバル・フォーラムを毎年開催し、グループの経営方針や各社課題の共有を通じて、グローバルに展開し事業活動を行う上で必要なガバナンスの強化を図っています。
世界各国で海外贈賄防止規制が強化されるなか、2018年9月のグローバル・フォーラムにおいては、不正競争防止法、OECD Anti-Bribery Convention、The Foreign Corrupt Practices Act(米国海外腐敗行為防止法)、The UK Bribery Act(英国贈収賄法)等の関連法規制について研修を実施し、注意喚起を行いました。