高周波熱プラズマ法による金属ナノ粒子(銀・銅粉末)を開発

株式会社日清製粉グループ本社(社長:長谷川 浩嗣)と日清エンジニアリング株式会社(社長 渡邊 陽寛)は、酸化物ナノ粒子の製造における10年以上の実績を生かし、この度、高周波熱プラズマ法による金属ナノ粒子の開発に成功しました。
今回当社が開発した金属ナノ粒子の製法は、原料粉末(金属粉)をプラズマ炎中に入れて蒸発させ、製造途中で表面処理を行う製法です。この熱プラズマでの表面処理によって、溶液中での銀・銅粉末の分散性を向上すると同時に耐酸化性を付与し、銀・銅粉末共に粉末状態でユーザーに提供することが可能になりました。この技術は銀・銅粉末だけでなく、その他の金属・合金にも適用することができ、現在当社では本技術(=熱プラズマでの表面処理)について特許を出願しています。

金属ナノ粒子の開発は、現在業界では「湿式法」が主流で、液体分散系での提供が一般的ですが、今回当グループでは、「乾式法」での開発に成功し、乾燥粉末での供給が可能となりました。この乾燥粉末は、「湿式法」と比べて比較的低価格の供給が可能であるという利点があり、用途としては配線基板の回路形成に用いられる導電性インクや導電性ペーストの金属材料として幅広い分野での活用が考えられます。

<今回開発した熱プラズマ法による金属ナノ粒子の製法>
原料粉末(金属粉)をプラズマ炎中に入れて蒸発させ、製造途中で表面処理(特許出願中)を行い、溶液中での銀・銅粉末の分散性の向上と耐酸化性の付与を実現し、乾燥粉末の供給を可能とした。

<今回開発した金属ナノ粒子の特徴>
●銀粉末・・・ 平均粒子径が30〜50nmであり、熱プラズマ中での表面処理により液中での分散性が非常に良好な粉末。

●銅粉末・・・ 平均粒径が20〜40nmであり、熱プラズマ中での表面処理により、分散性が良好であるとともに、空気中で保管しても酸化することがありません。

●抵抗値データ・・・銀 200℃で10-6Ωcmオーダーの比抵抗値