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  • 2006年5月17日 コエンザイムQ10とカルニチンの併用が体脂肪を有意に減少させることをヒト試験で確認、動物試験の遺伝子レベルでも確認〜2つの研究成果を第60回日本栄養・食糧学会大会で発表~

コエンザイムQ10とカルニチンの併用が体脂肪を有意に減少させることを
ヒト試験で確認、動物試験の遺伝子レベルでも確認
〜2つの研究成果を第60回日本栄養・食糧学会大会で発表~

 日清製粉グループの日清ファルマ株式会社(社長:中村勝)は、熊本県立大学と共同でコエンザイムQ10(以下CoQ10)とカルニチンを含有するサプリメント「シェイプナビ」を摂取した際のヒトの体脂肪に対する影響を調べる実験を行いました。一般成人女性(24〜69歳)21名を被験者として、摂取群とプラセボ群の2群に分け、2つの期間を設けて群を交叉する方法をとりました。その結果、両成分を同時に摂取した場合、体脂肪率・体脂肪量・へそ周り周囲径が有意に減少することが分かりました。

また、日清ファルマ株式会社と日清製粉グループ本社は、城西大学薬学部との共同実験で、CoQ10とカルニチンを併用した際の、脂肪燃焼に関する相乗効果を、動物試験において初めて遺伝子レベルでも確認しました。この実験では、脂肪合成を促進させる酵素の働きを抑制、およびエネルギー代謝を促進させる遺伝子の変化が顕著であることが確認されました。

CoQ10とカルニチンはともにエネルギー産生(作り出す)において重要な働きをすると言われる成分で、これまでも両成分の同時摂取による相乗効果が報告されております。今回のヒト試験と動物試験における遺伝子レベル解析の2つの研究により、両成分を同時摂取することで、体脂肪の減少および脂肪燃焼の効果が期待できることが確認されました。

今回の2つの研究成果は、本年5月19日から21日まで、静岡県立大学で開催される「第60回日本栄養・食糧学会大会」の中で5月20日(土)17:00〜発表されます。

◆コエンザイムQ10について
コエンザイムQ10はもともと体内で生合成されている補酵素ですが、20歳を過ぎるころから加齢とともに減少します。コエンザイムQ10が不足すると体内の抗酸化力が低下するとともに、エネルギー産生能力が少なくなり、体力の低下、疲労回復力の低下などの現象を意識するようになると言われています。
◆カルニチンについて
カルニチンも生体内に存在する物質でアミノ酸の一種です。脂肪酸を細胞内のミトコンドリアに運び、エネルギーを産生する手助けをする働きがあります。若い時はカルニチンの生合成能力が高いのですが、加齢とともにその能力が低下します。中年になると太りやすくなるのは、体内のカルニチンが減少して脂肪が燃焼されにくくなることが一因であると言われています。
◆「シェイプナビ」・「シェイプナビプラス」について
「シェイプナビ」は、「きれい」と「スタイルアップ」の両立を願う女性のためのサプリメントです。おいしく、手軽に摂れるチュアブルタイプのタブレットでさわやかなオレンジ風味でシュガーレス。水溶化CoQ10 10mgとL-カルニチン・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・アミノ酸を配合しています。「30日分」が1パッケージなので継続してご利用いただけます。
「シェイプナビプラス」は、キレイとダイエットの同時実現を願う女性の強い味方のドリンクです。水溶化CoQ10 30mgとL-カルニチン、ビタミンB1、B6に加えコラーゲン、セラミド、ヒアルロン酸、食物繊維といった美容成分を豊富に配合。シェイプナビの基本的な考え方を生かして、美容成分を大幅強化。これ一本で女性の願いに応えるシュガーレスドリンクです。


<商品概要>
商品名 シェイプナビ シェイプナビプラス
内容量 1箱60袋入(30日分) 1本30ml
希望小売価格 3,360円(税別) 420円(税込)
販売方法 ドラッグストア・薬局・薬店(関東一都六県)  

【参考資料1】
コエンザイムQ10およびカルニチンが体組成に及ぼす影響


○鈴木 公1)、関谷 春花1)、山本 麻子1)、小原 美穂1) 、中村 弘幸1) 、原口 芙美1)
前田 恵里1) 、吉岡 有佳里1) 、坂口 名菜1)、杉島 有希1)
1)熊本県立大学

【目的】コエンザイムQ10(以下CoQ10)には、代謝賦活作用や抗酸化作用があり、カルニチンには脂肪燃焼を促進する効果があるといわれている。そこで本実験では、身体計測や血液生化学検査などにより、CoQ10及びカルニチンが代謝や体組成に及ぼす影響について検討した。また、日本人を対象とした研究が少ないため、幅広い年齢層の日本人成人女性を対象としてデータを得ると共に、血中のCoQ10・カルニチン濃度と年齢についても比較、検討した。


【方法】試料はCoQ10およびカルニチンを含有するサプリメント シェイプナビ(SN)〔(株)日清ファルマ〕とその製品からCoQ10及びカルニチンを取り除いたPlacebo(PL)を用いた。熊本県立大学の倫理委員会で承認された文書により、説明・同意の得られた24〜69歳の一般成人女性21名を被験者とした。2週間の休息期間をはさみ、一日15錠(CoQ10 15 mg、カルニチン750mg)を4週間ずつ摂取させるクロス実験を行った。測定・調査項目は、身長、体重、 体脂肪率、体脂肪量、へそ周りとヒップの周囲径、安静時代謝量、血液生化学検査、活動量調査や食事調査、生活アンケート調査などである。SN・PLともに摂取前の結果と比較、検討した。


【結果・考察】体脂肪率、体脂肪量は摂取前と比較して、PL摂取群には変化が無かったのに対し、SN摂取群において、TANITAで体脂肪率が2.15%、体脂肪量が0.4kg有意に減少した。また、へそ周りはSN摂取群のみ0.3cm有意に減少したが、ヒップには変化が見られなかったことから、CoQ10及びカルニチンは腹部脂肪を特異的に燃焼したと推測される。血液生化学検査の結果から、摂取前との大きな変化はなく、肝機能、腎機能には異常はなかった。また、被験者の実験前後における血中CoQ10・カルニチン濃度を測定した結果、年齢との間に相関は見られなかった。これは血液成分が個人の食生活や飲酒、喫煙、など様々な因子によって影響を受け、個人差が大きかったためではないかと考えられる。今後は被験者数を増やし、さらにライフスタイルとの関連性についても検討する必要があると思われる。


【参考資料2】
コエンザイムQ10・カルニチンの併用効果


清水 純1)、真野 博1)、菊池 洋介2)、早川 克志2)、○金子 明裕3)、和田 政裕1)
1)城西大学・薬学部、2)(株)日清製粉グループ本社・基礎研究所、3)日清ファルマ(株)・健康科学研究所

【目的】コエンザイムQ10(以下CoQ10と略記)は他の成分との同時摂取により併用効果が考えられる。CoQ10とカルニチンの同時摂取による併用効果について遺伝子レベルでの機能性評価を行った。


【方法】AIN-76にCoQ10 0.2%、カルニチン1.0% を組み合わせて22日間、4週齢マウスに自由摂取させた。体重、副睾丸周辺の脂肪組織重量、肝臓重量測定及び血清分析(トリグリセロール、総コレステロール、HDL)を実施した。
マウス肝臓からmRNAを抽出、同一投与群のmRNAをプールし、アフィメトリックス社製DNAチップを用いて遺伝子発現の解析を行った。また、RT-PCR法により遺伝子発現変動の再現性評価を行った。


【結果】CoQ10、カルニチンを同時に摂取させた場合、コントロールに比べて、体重増加が少なく、肝臓重量も少なかった。CoQ10とカルニチンの同時摂取における発現遺伝子の特徴として、脂肪酸合成経路の遺伝子発現を抑制した。脂肪酸合成経路の律速酵素であるATP citratelyase及びAcetyl-CoA Carboxylase、Fatty Acid Synthaseをコードする遺伝子発現量が低く抑えられていた(Control比:ATP citratelyase 27%、Acetyl-CoA Carboxylase 57%、Fatty Acid Synthase 64%)(図参照)。また、「NADH-Ubiquinone Oxidoreductase関連遺伝子」及び「ATP Syntheses 関連遺伝子」といった電子伝達系関連遺伝子の発現上昇が認められた。


【結論】CoQ10、カルニチンを同時摂取すると体重増加抑制効果があり、「脂肪酸合成経路抑制」及び「電子伝達系上昇」に寄与する遺伝子発現に相乗効果が認められた。

図 CoQ10 + カルニチン 脂肪酸合成酵素遺伝子の発現量 (肝臓)