水資源に関する取組み

私たちの
基本姿勢
企業活動によって生ずる環境への影響は地球環境全体にも影響すること、地球環境保全は企業の存続と活動の必須要件であることを認識し、「日清製粉グループ環境基本方針」にもとづき、自主的・積極的に廃棄物やCO2を削減するとともに、資源やエネルギーの有効活用を図る等の環境保全活動を推進します。

水に関するマネジメント

当社グループの事業活動は、水資源と密接な関連があるという認識のもと、水資源の有効利用に向けた取組みやリスク評価を実施しております。
当社グループの事業活動のうち、製粉事業における水使用量は比較的少ない状況ですが、加工食品事業では一定量の水使用が必要となります。こういった課題を認識しながら、環境基本方針に従って、事業全体からの水資源の有効利用、水使用量の削減、水質汚染の防止などの環境保全活動に取り組みます。

水使用量等の概況

当社グループは、主要生産拠点を9カ国に展開しておりますが、グループの管理基準に従ってすべての製造事業場で水の使用量と排水経路を把握しています。日常管理から節水や漏水防止に努めるとともに、高効率ラインによる生産集約や製品構成の変更、計画的な生産等により、水使用量および排水量の原単位の削減に取り組んでおります。今後は当社グループに合った指標による目標を検討し、さらに有効な水利用を目指します。

水使用と排水負荷

当社グループの事業のうち製粉事業は、乾式の製造工程が大半を占めるため、水使用量は生産量に比べて、極めて少ないと言えます。
また、すべての事業において適宜排水処理設備を備え、できるだけ水の使用が効率よく実施されるよう、適切な管理に努めております。2018年度は新工場が本格稼働したことにより、総水使用量および総排水量が増加しました。

グループの総水使用量(千m3)および原単位の推移
総排水量(千m3)および原単位の推移
総排水量の推移(千m3
BOD負荷量の推移(t)※BODは水の汚染を表す指標
2016年度 2017年度 2018年度
総取水量[千m3 3,380 4,152 4,302
国内 2,910 3,654 3,786
海外 470 498 516
取水源別 上水 1,390 1,635 1,721
工業用水 1,198 1,235 1,219
井戸水 792 1,282 1,362
水使用量原単位
(生産1t当たり原単位)
[m3/t]
国内 1.14 1.42 1.49
海外 0.24 0.25 0.26
総排水量[千m3 1,774 2,578 2,599
海洋 95 97 104
河川 540 892 1,249
公共下水道 1,139 1,589 1,245
排水量原単位
(生産1t当たり原単位)
[m3/t]
国内 0.69 1.00 1.02
総BOD排出量[t] 304 199 229

水を大切に使うために

当社グループでは、2017年度より世界資源研究所(WRI)が開発した評価ツールであるAqueduct(アキダクト)を用いて、国内外のすべての製造拠点(9か国56拠点)および、原料調達地域における水ストレス・水リスクの評価を定期的に実施しています。

評価対象範囲

主要原料調達地域:国内外の調達地域8か国
グループの製造拠点:日本国内36拠点、海外20拠点

評価対象範囲一覧(24.6KB)

水リスク評価の実施

水リスク評価の結果、すべての原料調達地域のリスクレベルはExtremely Highのレベルにはないことが分かりました。原料調達に際してはグループの独自の基準に基づくサプライヤー評価を実施しており、現地確認を含む取引先とのコミュニケーションを通じて安全・安心な調達に努めています。
また、他の拠点に比べて水リスクが高い中国の製造拠点では、水ストレスが高いことが分かりました。生産に多量の水を使うことはなく当面は大きな懸念はないと考えますが、各拠点の水使用量を把握し、特に使用量が多い拠点では原単位の削減に努めています。

水ストレス(Water stress):水の需要において一定期間に使用できる水の量を超える状態、もしくは水質により水の使用が制限される状態

原材料調達地域の水リスク評価(Aqueductの評価基準)
製造拠点の水リスク評価(2018年度実績)
水リスクレベル 事業場数 水使用量[千m3 生産量[千t]
Low(0-1) 8 45.6 1.1% 589 13.0%
Low - Medium(1-2) 18 2481.2 60.4% 1,497 33.1%
Medium - High(2-3) 24 1,399.0 34.1% 1,994 44.1%
High(3-4) 5 174.9 4.3% 425 9.4%
Extremely High(4-5) 1 7.7 0.2% 18 0.4%

国内の水ストレスへの対応―夏季の水不足による製造への影響評価―

利根川水系8ダムイメージ図
出典:国土交通省関東地方整備局ホームページ

日本全国の生産拠点について、夏季の水不足に備えた評価を毎年実施しています。一連の評価の検討結果については、経営層の会議で報告され、グループ全体で課題認識を共有しています。 2016年の夏は関東地域において、利根川水系の取水制限が懸念されたことから、当社グループでは、関東の8つのダムにおける貯水容量を観察し、対象地域の10箇所の製造拠点について水源の状況や供給体制などの影響を評価しました。
その結果、1か所を除いては、地下水などの複数の水源を確保しており、製造に影響がないことが判明しました。水不足が懸念された1か所についても、同地域の他工場から水を供給することが可能であったことから、全体として影響が極めて小さいことを確認しました。

海外製造拠点における水使用量削減に向けた取組み

インドネシアにおける3年間の水使用量(千m3)および水使用量原単位の推移

当社グループの海外製造拠点では、製造における効率の良い水の利用と節水に取り組んでいます。例えば、製造工程の洗浄回数を低減するための効率的な生産計画の策定、冷凍食品の製造時にドライミストなどの水使用量の少ない冷却装置を採用する、冷却設備のチラー冷却における雨水利用など、出来るだけ少ない水使用量で製造するための様々な取組みを実施しています。
比較的水ストレスが高いと分析された当社グループの製造拠点の中で、生産量に対する水使用量が特に多いインドネシアにおける水使用量の概況はグラフの通りです。

水資源の有効利用

当社グループは水の消費量削減や従業員への意識啓発、環境教育を通じた節水意識の醸成を推進し、節水に取り組んでいます。また、排水処理が必要な場合でも、環境負荷の少ない方法で処理することで、水資源の有効利用に努めています。

クリーンエネルギーを生み出す排水処理設備

オリエンタル酵母工業大阪工場の排水処理施設

オリエンタル酵母工業大阪工場の排水処理設備は、メタン発酵方式や活性汚泥方式などを組み合わせたものです。排水処理工程で発生するメタンガスを、バイオガスエンジンの燃料として利用することにより、大阪工場で消費するエネルギーを節減することができました。また、排水処理で発生する汚泥は肥料として利用されています。環境負荷の少ない排水処理と工場のエネルギー使用の低減を両立しています。

OY India インドイースト工場建設

工場完成図(イメージ)

OY Indiaはインドのマハラーシュトラ州プネ市近郊にイースト工場を建設することを計画しています。本工場は、工場敷地外に排水しないゼロ排水システム(ZLD:Zero Liquid Discharge)を導入しています。濃厚廃水は濃縮してボイラーで焼却するほか、希薄排水は浄化処理後に再生水として工場内で再利用することで、敷地からのゼロ排水を実現いたします。また、工程から発生する汚泥は肥料原料として再利用されます。地域の水資源の使用をできるだけ抑えながら、環境負荷を小さくする操業を目指しています。
本取り組みは、今後の良い見本になると地元当局からも歓迎されました。

水源を守る活動

霧多布湿原の水源保全活動の支援

琵琶瀬展望台から望む霧多布湿原

日清製粉グループの事業や製品にとって自然の恵みは欠くことのできないものです。将来にわたって自然の恵みが人々の健康で豊かな生活づくりの支えになることを願い、北海道厚岸郡浜中町にある霧多布湿原の保全活動を行っている認定NPO法人霧多布湿原ナショナルトラストを支援しています。霧多布湿原ナショナルトラストでは、国内で3番目の大きさを誇る湿原の豊かな生態系と周辺地域とのつながりの調査活動や湿原の水源となる川の上流域周辺及び森林の保全活動を行っています。

NBCメッシュテック湧水を守る会

会社の西側を流れる清流で泳ぐ川魚の群

NBCメッシュテックの本社は地域の湧水群に隣接しています。年平均14.5リットル/S・水流23.3ms/mと豊富な水量を湛え、清流でしか繁殖できない沢蟹やカワニナなどが生息し、初夏には蛍が飛び交う姿を見ることができる地域の憩いの場ともなっています。
創業以来、この恵まれた武蔵野の自然と共生しながら事業を営んできたことから、「株式会社NBCメッシュテック湧水を守る会」を結成し、地域の方々とともに、水源保護活動に取り組んでいます。