パッケージにマスコットキャラクターがついてますよね。シライシ坊やっていうんです。この裏側を見ると、「シライシ坊やからひとこと」という欄があり、うんちくを一つ言ってくれるんですよ。

シライシ坊やによると「昭和30年代に誕生したシライシのロングヒット商品だよ」（坊やっぽい声で）。

僕はパッケージに「ロングセラー」とか言葉があると必ず食べるんです。なぜこれが昭和30年から生き残っているのかを知りたいっていう気持ちが芽生えて。それをTwitterにあげたりすると、「小学生の頃から食べてました」みたいリプが、幅広い年代から来るんですよね。

これ、中身にマーガリンがはさまってるのに、表にもマーガリン。２枚をどう食べてもいいっていうことなんですよね。

全方位な感じで（笑）。

銀座ウエストのパンケーキ2枚のやつを、重ねたまま食べている気持ちですよね（笑）。このジャリっとしたお砂糖が、いい意味で想像通り。定番というか、これがないと困るっていう位置にあるんですよね。

すごく気になっているのが、焼いてないのに「トースト」というネーミングなんですよね。

そこが長年引っかかっていて…（笑）。この後工藤パンさんのイギリストーストも出てきますが、奇しくも同じ山型食パン8枚切りでトーストを名乗っていて、トーストしていないっていう（笑）。

もう一個、秋田のたけや製パンの「アベックトースト」っていうのもあったな。そういうトーストサンド系ともいうべき、ローカルパンが東北各地にあるんですね。

豆がゴロンゴロン入っているうれしさ。それにとどまらず、マーガリンも塗っているのはオリジナリティがある。

そうなんですよね。東京では買えなくて、東北行ったときじゃないと食べられないっていうところがまたいいんですよ。

震災直後とかに、被災地をツアーで回ったりしたときの思い出と、豆パンロールが絡み合っていて、なんか切なくもなるんですけどね。

ローカルパンがライフラインというか、命綱の役割を果たした。すごい話ですね。

バリエーションの数が群を抜いてるんです。毎月ぐらいのハイペースでどんどんニューテイスト出してくるんですよ。

もう正直、全貌は僕もわからない（笑）。

でも、現在はもっとジャリ増しになっているんですね。以前は基本形と、色ちがいのジャムがあるぐらいでしたが…。

それどころじゃなく、イギリスフレンチトーストとか。

太宰治とコラボした、『人間失格』や『走れメロス』までありますから（「人間失格カステラサンド イギリストースト風」と「わいはっ！ 走れメロンパン」）（笑）。

わりとドライな印象のパンだから、このマーガリンが「待ってました」ってなる。

「トースト」ってネーミング、ひょっとして「焼いてね」ってことなんですかね！？

でも、焼くと砂糖が溶けて、ジャリ感の意味がなくなりますよね。

焼く派と焼かない派で論争が行われてるんだ！（笑）　どれぐらいの割合ですか？

コッペパンを割って、パカッとした面をチョコにべたっと浸すという、ダイナミズムです（笑）。

僕知らなかったんですけど、こんなにバリエーションあるんですね。「いちご」「ミルクケーキ」…。

「プレミアム ベタチョコ」がある！　ベルギーチョコが乗っている。包装もビニールではなくアルミフィルムで、高級感ありますね。しかも、要冷蔵っていうパンもあんまり見たことない（笑）

倍以上。すごい！　こっちの「ベタチョコ チョコミント」やばくないですか？

スパイシーな、ちょっと今どきのカレーで。で、里芋が出てきたときにうれしさがありました。「ちゅるん」っという感触が。

三段落ち！

芋煮カレーって、「雑炊で〆ようか」みたいなことなんですね。

なるほど、そういう意味では第3形態かもしれないですね。芋煮カレーを炭水化物と一緒に食べられる状態。

「これを県民みんなが食べてるんだなあ」というところから、妄想の扉が開くんですよ。ベタチョコのとき女子高生が『きゃーっ！』て言うのかなあっていう妄想で盛りあがったでしょう。そういうことなんですよね。

たとえば、ポテトチップスって、「ポテトフライをもっとカリカリに揚げてくれ！」って客に言われたレストランの店主が頭にきて、「これどうだ！」って薄々に切って揚げたらおいしかったっていうのが、発祥らしいです。

ベタチョコも最初は普通のチョココッペだったのではないかと。が、「チョコが少ねえな！」って言われて、「なにを！　これでどうだ！」ってベタってチョコつけたんじゃないかって（笑）。

あとはもうチョコの中にフォンデュするぐらいしかないぞっていう。もう半フォンデュですよね（笑）。

素敵なパーティーでフォンデュするっていう贅沢があるのだから、あんな風にベタしてもいいかもしれないですよね（笑）。

溶かしたチョコが用意してあって、みんなでもう好きなだけベタれる（笑）。