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2023.10.06 Fri

骨寿命が健康のカギ ②(全2回)

骨を強化する「骨トレ」で、健康な骨を目指す!

「骨代謝」を高めて、全身を健やかに!では、全身の健康を支える骨代謝や骨ホルモン「オステオカルシン」についてお伝えしました。今回は、骨代謝を高めて骨を強化するトレーニング「骨トレ」と、その効果をアップさせる食事について詳しくご紹介します。

「骨代謝」を高めて、全身を健やかに!では、全身の健康を支える骨代謝や骨ホルモン「オステオカルシン」についてお伝えしました。今回は、骨代謝を高めて骨を強化するトレーニング「骨トレ」と、その効果をアップさせる食事について詳しくご紹介します。

手軽で効果抜群!すぐにはじめられる骨トレ

丈夫な骨づくりのために欠かせない骨代謝が低下すると、骨がもろくなり、全身の健康に影響が及びます。骨代謝が低下する要因は、加齢や喫煙、ダイエットなどいくつかありますが、大きな原因の1つは運動不足です。つまり日常生活に運動を取り入れれば、骨の衰えを大きくカバーできるということです。そこで、骨を刺激するのにうってつけな、5秒程度で気軽に実践できる骨トレを2つご紹介しましょう。

1つ目は、椅子に座って行う「かかと落とし」です。かかとを床につけたときの衝撃が、すね、ひざ、太もも、腰の骨に伝わることで、骨づくりを担う骨芽細胞の働きが活発化。オステオカルシンの分泌が促進されます。椅子に座ってできるので、仕事の合間などに行いやすく、リフレッシュにもつながります。

<骨トレ1> 座ったままでかかと落とし

  • ① 椅子に座り、足を腰幅に開く。
  • ② 息を吸いながら両足のかかとを上げ、息を吐きながらストンと落とす。

5回1セット、1日2セット~

2つ目は、うつぶせになって行う「ウミガメ体操」。手首を中心に上半身の骨全般が鍛えられます。手首は鍛えにくいうえ繊細でもろい関節なので、年齢を重ねるとふと手をついた拍子に骨折してしまうケースが珍しくありません。この体操を習慣化することで、「転ばぬ先の杖」として効果を発揮してくれます。毎日の起床時や就寝時に布団の上などで行うように決め、継続しましょう。

<骨トレ2> ウミガメ体操

  • ① うつぶせになり、体の両脇に腕を置いて手のひらをつく。
  • ② 床に向かって手をグッと押し、5秒キープしたら、手の力を
    ゆっくり抜く。

全力で1回

どちらのトレーニングも、簡単かつ短時間でできるもの。骨は刺激を与え続けないと代謝が低下してしまうため、毎日コツコツ続けるようにしましょう。

骨に良い食事で、骨トレの効果をアップ!

骨づくりに欠かせない栄養素というと、真っ先に思い浮かぶのはカルシウムかもしれません。もちろん、カルシウムは骨の材料となる重要な栄養素です。しかし、カルシウムさえ補給しておけば万全なわけではなく、ビタミンKやビタミンDなどとあわせて効果的に摂ることが大切です。

ビタミンKは、骨ホルモン「オステオカルシン」を活性化し、カルシウムを骨に沈着させて骨形成を促してくれる頼もしい存在です。ビタミンKを摂るには、ブロッコリー、モロヘイヤ、大葉などの緑黄色野菜、納豆などの発酵食品がおすすめ。油と一緒に摂ることで吸収率が高まるので、油炒めにしたり、サラダにしてドレッシングをかけると良いでしょう。

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けてくれる働きがあり、サケやイワシ、アジ、ウナギなどの魚類、干ししいたけやキクラゲなどから摂ることができます。また、日光を浴びることで体の中でつくり出すこともできます。日光浴は、1日15分程度でOKです。その際、皮膚がしっかりと日光に当たるよう日焼け止めを塗らないことがポイント。どうしても日焼けが気になるなら、日焼けしにくい手のひらを日光に当てる「手のひら日光浴」がおすすめです。

加えて、女性が積極的に摂りたいのがイソフラボンです。女性ホルモンと似た働きを持つイソフラボンには骨からカルシウムが溶け出すのを抑える作用があります。豆腐、みそ、豆乳などの大豆製品をメニューに取り入れてみましょう。

一方、極力避けたいのはタバコです。タバコに含まれるニコチンは全身の血流を悪くし、骨の健康を阻害します。また、カルシウムの吸収を妨げたり、女性ホルモンを減少させたりします。できるだけ禁煙を心がけましょう。

骨は何歳からでも鍛えられます。コツコツとトレーニングを積み重ねて良質な栄養を摂取することで、10年後、20年後の健康度が変わってくるはず。はつらつと人生を楽しむために、ぜひ骨トレを習慣化してみてください。

このシリーズ(全2回)の他の記事を読む

①「骨代謝」を高めて、全身を健やかに!

  • <参考書籍>
  • ・藤澤孝志郎. 世界一効率よく若返る!1日5秒骨トレーニング!. ビジネス社, 2018.

<監修>

藤澤孝志郎

Dr.孝志郎のクリニック院長/JSIM認定総合内科専門医