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2021.11.05 Fri

専門医が教える!健康に役立つ「お風呂の入り方」 ②(全5回)

\こりにサヨナラ!/お風呂ストレッチ

お湯につかり、ゆったりとバスタイムを過ごしていても、肩や腰が今ひとつスッキリしないということはありませんか?お湯の性質をうまく利用すれば、お風呂がその悩みを解決してくれます。今回は、さまざまなメリットがある、浴室でのストレッチをご紹介します。

お湯につかり、ゆったりとバスタイムを過ごしていても、肩や腰が今ひとつスッキリしないということはありませんか?お湯の性質をうまく利用すれば、お風呂がその悩みを解決してくれます。今回は、さまざまなメリットがある、浴室でのストレッチをご紹介します。

お湯の作用で効果アップ!

慢性の肩こりや腰痛にお悩みの方は多いことでしょう。実際に、厚生労働省による2019年「国民生活基礎調査」では、男性が訴える自覚症状の1位が「腰痛」、2位が「肩こり」、女性の1位が「肩こり」で、2位に「腰痛」があげられています1)

肩こりは、肩周辺の筋肉「僧帽筋」が硬くなり、血流が悪くなることから起こります。パソコンやスマートフォンを見ていてずっと同じ姿勢でいると、肩や背中がカチカチになっていませんか?精神的ストレスで体に力が入り、肩や首などが緊張することも原因の1つです2)3)

腰痛にはさまざまな原因が考えられますが、肩こり同様、長時間同じ姿勢でいたり、ストレスで体が緊張したりすることでも起こりやすくなります。猫背など姿勢のクセも誘因となるでしょう2)3)

いずれにしても、血流を良くすれば、筋肉のこわばりや疲れが取れ、症状を緩和することが期待できます。そこでおすすめなのがお風呂でのストレッチです。

ストレッチは体が温まった状態で行うと、より効果を発揮します。お湯で温められた筋肉がほぐれ、関節の可動域が広がるため、肩こりや腰痛がつらい人はもちろん、体が硬い人も無理なく行えます。さらにお湯につかって行うストレッチでは、入浴の浮力作用によって体にかかる重力が減り、筋肉や関節の負担も減少します。痛みも和らぐので、運動療法やリハビリテーションに取り入れられています4)

ほかにもアスリートのパフォーマンスの向上や高齢者の筋力アップなどにも活用されるなど、お風呂は、ストレッチ効果を高めることができる最高の環境なのです4)

【ご注意】
ぎっくり腰など、急性の痛みがあり筋肉に炎症が起きている状態では、温めるのは逆効果となります。医師の診断を受け、その指示に従いましょう。

お風呂でストレッチを行う前に
●お湯の温度はぬるめの40℃に設定し、10分程度行う。
●浴室が寒いときは、入浴前に暖めておく(ヒートショックの予防)。
●入浴の前後に水分補給をする。
●呼吸を止めずに行う。

実践!肩のストレッチ

長時間スマートフォンやパソコンを見ていると、肩は内側に入りやすくなります。胸を張り、肩を正しい位置に戻すようにストレッチしていきます。

①肩をほぐそう
  1. 肩までお湯につかり全身の力を抜きます。
  2. 10往復程度、ゆっくりと肩を上下に動かします。
②背中をほぐそう
  1. 背筋をまっすぐにして座り直します(湯船にもたれかからないように)。
  2. 頭の上で両手を組んで、10秒ほどかけてゆっくり上に伸ばします。
  3. 2の姿勢のまま、ゆっくりと左右に体を傾けて肩甲骨まわりを伸ばします。
③肩甲骨を緩めよう
  1. 指先を肩の上に乗せます。
  2. 両肘を体の前から上を通って、体の後ろに回すように動かします(10回)。
  3. 反対に体の後ろから上を通って体の前に回します(10回)。
左右の肩を同時に回すのがポイントです。肘で円を描くイメージでゆっくりと動かしましょう。肩の上から指先が離れると効果が弱まります。

実践!腰のストレッチ

家事などで前かがみの姿勢が続いた日や、椅子に座りっぱなしの日は、腰が丸まりがちです。腰の動きがスムーズになるようゆっくり腰を反らします。猫背の改善にもおすすめです。

①背筋をほぐそう
体育座りの状態で、ゆっくり背中を反らして、ゆっくり丸めます(10往復)。

背骨の1つひとつを意識しながら動かすといいでしょう。
②腰まわりの筋肉をほぐそう〈1〉
両ひざを立てた状態で、上半身を左右にゆっくりひねります(10往復)。

勢いよくひねらないように注意。不安定なときは湯船のふちをつかむといいでしょう。
③腰まわりの筋肉をほぐそう〈2〉
今度は脚を伸ばして、上半身を左右にゆっくりひねります(10往復)。

このストレッチでも、勢いよくひねらないようにしましょう。
④お尻と太ももの裏をほぐそう
  1. 両足を伸ばして座ります。
  2. 息を吐きながら、左脚のひざを胸の方に引き寄せます。右脚も同様に行います(左右交互に10秒ずつ)。
腰が伸びていることを感じながら、ひざを引き寄せましょう。

ストレッチは毎日行うのが理想ですが、最初は週3日を目安に続けていきましょう。続けていくうちに体の変化を感じられるようになります。ストレッチを続けても改善しないようであれば医師に相談するようにしてください。

このシリーズ(全5回)の他の記事を読む

①体が喜ぶ「正しい入浴法」とは?

③\疲れた心を癒やそう/「マインドフロ(風呂)ネス」でイライラもスッキリ!

④\レッツ!温活/キレイを育てる入浴法

⑤\覚えておきたい/お悩みレスキュー入浴法

  • 1)厚生労働省 2019年「国民生活基礎調査」
  • 2)早坂信哉. 最高の入浴法. 大和書房, 2018, p.93-97.
  • 3)早坂信哉. たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法. KADOKAWA, 2014, p.30-33.
  • 4)早坂信哉, 古谷暢基. 入浴検定公式テキスト. 日本入浴協会, 2017, p.144-149.

<監修>

早坂信哉

東京都市大学人間科学部教授/医師 博士(医学)/温泉療法専門医