読みもの / ライフスタイル
magazine
2023.05.12 Fri

これって五月病?頑張り過ぎかなと思ったら… ③(全3回)

「ちょっと疲れているかな?」と思ったときこそ実践したい!スギアカツキさんに聞く、5つの食事術

新生活や新学期を過ごしているみなさん、お疲れ様です。慣れない生活に自分を奮い立たせて頑張っていると、知らず知らずのうちに疲労が溜まってしまうことがあります。それは頑張っている証拠でもありますが、溜め過ぎるのも危険。「ちょっと疲れているな」というサインを感じたら、おいしい食事で自分をいたわってあげることを考えてみましょう。そうです、今回は楽しい食べ方のお話です。

新生活や新学期を過ごしているみなさん、お疲れ様です。慣れない生活に自分を奮い立たせて頑張っていると、知らず知らずのうちに疲労が溜まってしまうことがあります。それは頑張っている証拠でもありますが、溜め過ぎるのも危険。「ちょっと疲れているな」というサインを感じたら、おいしい食事で自分をいたわってあげることを考えてみましょう。そうです、今回は楽しい食べ方のお話です。

疲労を感じたときに実践したい食べ方とは?

目まぐるしい現代社会において、疲労を感じることは悪いことではありません。新生活に加えてコロナ禍、物価高騰など社会はさまざまな問題であふれていますから、自分を責めることなく、少しでも心身を軽くしていくことを考えてみましょう。まず疲労感は自分を守るための確かなサインと考え、その兆候を感じた段階で、なるべく簡単にできる対処法を自分のペースで試してみてください。ここでは、疲労を感じたときに試してみたい方法を並べてみました。

①朝ごはんを食べるライフスタイルに変えてみる朝ごはんを食べないと、1日の仕事や家事、学校生活をウォームアップしないではじめることになります。体のだるさや疲れは朝食欠食と因果関係があることが指摘されていますから、朝ごはんをきちんと食べられるように、ライフスタイルを見直してみると良いでしょう。最近はレンジで温めるだけで食べられる総菜、レトルト食品、冷凍食品、缶詰なども充実していますから、それらをやみくもに否定することなく、活用してお気に入りを見つけてみるのも楽しいと思います。

②無理なダイエットをやめてみる短期的なダイエットをしようとして、過剰な食事制限をしていませんか?これは明らかなエネルギー不足を引き起こすだけでなく、貧血、頭痛、食欲不振の要因になることもあります。つまり無理は禁物で、リバウンドしてしまったら本末転倒。毎日の基本として、糖質やたんぱく質を過度に制限することのないよう注意が必要です。たんぱく質は脂肪燃焼を促進する大切な基盤づくりに役立ちます。とはいえ、太り過ぎも疲労を感じる原因になりますから、肥満で悩んでいる場合は、専門家に正しいアドバイスを求めることが正解です。

脂っこいものや甘過ぎるものを控える、温かいものや消化に良いものを食べる日常生活の中でストレスや疲れが原因となって食欲不振に陥ってしまうことがあります。また蒸し暑くなっていく今の季節は、誰でも食欲が衰えがちに。エネルギー補給のためには、きちんと食べることが重要ですから、そのための対処法をいくつか覚えておくと良いでしょう。具体的には、胃酸の分泌を刺激しやすい脂っこいものや甘過ぎるものを控える、消化に良い温かくて柔らかいものを選ぶなどです。

④ビタミンB1を意識した食事を心がける疲れやすい、だるい、集中力がないといった状態は、エネルギー不足や基礎代謝が滞ることによって引き起こされている場合があります。そのようなときに意識したいのが、ビタミンB1。ビタミンB1は糖質を材料としたエネルギー代謝に欠かせない栄養素であり、疲労回復にも不可欠な栄養素です。ビタミンB1はにんにくやニラなどに含まれるアリシン、レモンや梅干しなどに含まれるクエン酸と一緒に摂ると吸収率が高まりますから、食べ合わせで工夫するのも賢明です。

【オススメの食材】

豚赤身肉、ハムやソーセージなどの豚肉加工品、
うなぎ、たらこ、いくら、
玄米、小麦全粒粉、ナッツ類

⑤カルシウムやビタミンCを意識した食材をシンプルに取り入れる精神的なストレス、イライラを感じる場合には、抗ストレス作用のある栄養素が効果的です。例えば、ストレスを感じた際に消費されてしまうのがたんぱく質、ビタミンB群やビタミンC。また、カルシウムやマグネシウムが不足すると神経を興奮させてイライラの原因になりますから、普段から十分に補給しておくことが大切です。これらは凝った料理で取り入れるとなると毎日継続するのが大変ですから、なるべくシンプルな調理法やそのまま食べるなどがオススメです。

【オススメの食材】

雑穀米、玄米、そば、サケ、納豆、
小松菜、チンゲン菜、パプリカ、
牛乳、ヨーグルト、キウイフルーツ、いちご

自分の心が喜ぶ食事を大切にしよう

疲労に対処するための食べ方は、栄養面だけで解決することではありません。そもそも食事は喜びにつながる行為ですから、疲れたときにこそ好きな食べ物を味わう姿勢や意識を大切にしていきましょう。疲れたときに甘いものが食べたくなることは素直な反応であり、一時的な疲労やだるさを緩和するためには有効です。また、気心の知れた友人や家族と食事を楽しむこと、季節の食材をゆっくり味わうこと、自分ならではの“ごほうびランチ”を計画するなどの工夫もオススメです。

目まぐるしい日常に立ち向かうみなさん、疲れたときにはふと立ち止まって、自分の食生活にしっかり愛情を注いであげてくださいね♪

このシリーズ(全3回)の他の記事を読む

①ひたすら寝る、長風呂…ストレスが溜まっていると思ったらやること

②太陽の光を浴びる、睡眠の質を上げる…五月病にならないために大事なこと【医師に聞く】

<プロフィール>

スギアカツキ

食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。