やくだつ読みもの

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専門医が教える!健康に役立つ
「お風呂の入り方」第4回

\レッツ!温活/
キレイを育てる入浴法

「スキンケアやダイエットに励んでいるのに、なかなか効果が感じられない」。そんな方は、一度日々の入浴法を見直したほうがいいかもしれません。今回は、血行を良くしてビューティーアップに役立つお風呂の入り方をご紹介。入浴は毎日の暮らしに欠かせないもの。どうせなら、美しさに磨きをかける入浴法、はじめてみませんか?

「温冷交代浴」で
お疲れ顔にサヨナラ!

透明感ある幸せ肌に

疲れが取れず、肌がくすみがち、体が冷えて顔色が悪い、これではどんなに良いスキンケアアイテムを使っても、なかなか美肌には結びつきません。美しいイキイキとした印象のためには、疲労や体の冷えを取るのがなによりの近道です。そこでおすすめなのが、「温冷交代浴」です。

お湯と15℃以下の冷水に交互につかる入浴法で、古くはヨーロッパの温泉療法の1つとして活用されてきました。その疲労回復効果はアスリートも実践しているほどで、自律神経の乱れを整えて、より深いリラクゼーション効果をもたらすことがわかっています1)

とはいえアスリートではない一般の方にとって、冷水で行うのは体への負荷が強すぎるので、日々の入浴で取り入れやすい「温冷交代浴」をご紹介します。

続けることで血流が改善し、末梢血管まで血液が循環。むくみも改善してくれます1)。疲れが取れて血流が改善すれば、肌のくすみも取れて透明感もアップ!しつこい疲れは入浴でケアして、血色の良いバラ色の幸せ肌をめざしましょう。

  1. 〈温浴〉かけ湯(もしくはシャワー)をしてから、40℃のお湯に3分間、肩までつかります。
  2. 〈冷浴〉湯船から出て、30℃程度のぬるま湯を、手先と足先にシャワーで30秒ほどかけます。
  3. 1~2を3回繰り返し、最後はお湯につかってからお風呂を出ます。
「30℃のシャワーが冷浴?」と思うでしょうが、この10℃の違いでも十分刺激になります。むしろ水風呂に全身をつけるような強い寒冷刺激は、体に負担がかかりすぎて危険です。手足の先にかけるだけで効果があります。
※温冷交代浴は血管を収縮させる、つまり血圧が上昇する入浴法です。高齢の方や血圧の高い方、狭心症や不整脈などの心疾患のある方、脳卒中の経験がある方は控えてください。

入浴=美肌とは限らない!
正しく知ってお風呂美人に

疲れを取り体の冷えを取る「温冷交代浴」は、お疲れ肌の強い味方ですが、疲れや体の冷えが和らいできたら、1回目でお伝えした医学的に正しいお風呂の入り方を続けましょう。入浴の温熱作用や静水圧作用で血流がアップすることで、全身に十分な栄養素や酸素が行き渡り、新陳代謝も良くなるため、肌を正常なターンオーバーへと導いてくれます。血流が増えれば、ビタミンCが全身の肌の細胞に働きかけるため、シミやくすみなどの原因であるメラニン色素の生産を抑える効果も期待できます。さらに、血流によって肌の内側から水分を届けられるので、肌の潤いもアップします2)

しかし、入浴が美肌に働きかけるのは「内側からのケア」としてです。肌のためにと長時間湯船につかったり、何度もお風呂に入ったりするのはNG。お湯につかると肌が潤っているように感じますが、それは一時的なもの。お風呂上がりは水分が逃げやすく、場合によっては入浴前より水分が失われるという研究報告もあります。肌に潤いをもたらす皮脂やセラミドまで失ってしまい、逆に乾燥を助長してしまう危険があります2)。入浴で血流をアップさせつつ、肌の潤いは逃してしまわないよう、以下の6か条を守りましょう。

  1. ① 42℃以上のお湯に入らない。
  2. ② 湯上がり後のスキンケアは10分以内に。
  3. ③ 15分以上長風呂しない&1日に何度もお風呂に入らない。
  4. ④ 洗顔料やボディーソープは使い過ぎない。※合成界面活性剤不使用のものがおすすめ
  5. ⑤ タオルやスポンジなどでゴシゴシ洗わない。※泡でなでる程度でOK
  6. ⑥ 血流アップのためにはシャワーや半身浴より全身浴で。

入浴の汗はダイエットと無関係!?
健康的に痩せるための
入浴法とは?

ダイエットしよう、痩せようと、サウナや熱いお風呂につかってたくさんの汗をかこうとしたことはありませんか?しかし残念ながら、お風呂でかく汗では、痩せる効果は期待できません。そもそも健康的に痩せるというのは、体についた過剰な体脂肪が減ることです。お風呂に入る前と出た後の体重を量っても、減っているのは水分であり、脂肪ではありません。

しかしながらお風呂は、入浴の仕方によっては、健康的に痩せたい方の心強い味方になってくれることもわかっています。そこで目的別に、ダイエットにアプローチする入浴法をご紹介します。

入浴によって体の表面に血液が回るため、一時的に胃や腸の働きが抑制され、食欲を抑えられます。
入浴によって代謝が上がるため、食後に入ることで血糖値の急上昇を抑えることができます。それと同時に、血中の糖分を脂肪に変えてしまうインスリンの分泌も抑えられるため、脂肪がつきにくくなります。ただし、食後すぐの入浴は、胃が持ち上がって心臓を圧迫するため、必ず食後30分たってから湯船につかるようにしましょう。胃腸の弱い方や高齢者の方は特に注意が必要です。

この仕組みを生かして入浴すれば、脂肪が必要以上にため込まれることはない(脂肪がつきにくくなる)といえます。

寒さが気にならない季節なら、ぬるいお湯での水中運動をしてみましょう。湯温が体温より低いとぬるいお湯に体温を奪われるため、エネルギーを燃やして体温を上げようと、体がカロリー消費モードにオン。そこに足を曲げ伸ばすなどの運動を加えることで、さらなるカロリー消費が期待できます。運動後は体を冷やさないように追い炊きし、体を温めてから出るようにしましょう。

膝を曲げ伸ばしたり、両足を付け根から動かしてクロスさせたりと、筋肉量の多い足を動かすのがカロリー消費量アップのコツ。

  • 1) 早坂信哉. 最高の入浴法. 大和書房, 2018, p.85-88.
  • 2) 早坂信哉, 古谷暢基. 入浴検定公式テキスト. 日本入浴協会, 2017, p.108-115.
  • 3) 早坂信哉. 最高の入浴法. 大和書房, 2018, p.184-194.
  • 4) 早坂信哉. たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法. KADOKAWA, 2014, p.44-45.
  • 5) 早坂信哉, 古谷暢基. 入浴検定公式テキスト. 日本入浴協会, 2017, p.130-143.

東京都市大学人間科学部教授/医師 博士(医学)/温泉療法専門医

早坂信哉